平成24年4月25日
(財)寿崎育英財団奨学生への皆様へ
理事長   寿崎 肇

3月と言う月です。卒業、進学、寿崎育英財団への最後の近況報告。何一つ取ってみても、大変な1年間だろうと思います。ご苦労さまでした。ありがとうございました。この3月の分は何回かに分けて掲載させて頂きます。読ましていただく近況報告涙の出ることばかりでした。ありがとうございました。

○最初の方は韓国から留学の奨学生です。国籍を感じさせない近況報告でした。
@卒業式の件。2012年3月17日(土)我が大学で卒業式が行われました。4年前、同じ場所で行われた入学式をよく覚えています。この4年間充実した時間を過ごしたと思います。本大学で過ごした4年間、自分の専門分野を勉強したこと、様々な人と出会ったこと、いろんな経験が出来たことなどで、自分がより成長したことを確信することができます。特に、大学3年の時代から、お世話になった、担当教員の先生には心から感謝しています。また私が無事に卒業出来るように支援してくれた寿崎育英財団の皆様、本当にありがとうございます。今後、私がここで学んだ様々なことを忘れずに、日韓両国に貢献できる人材になるため頑張りたいと思っています。
A進学の手続の件。私の進学先である大学の大学院の手続は、留学ビザの件以外は完了しました。留学ビザは、期間更新のために進学先の大学の大学院の在籍証明書が必要とされるため、ビザの更新は2012年4月2日以降に予定されています。
B進学先の大学、大学院入学式の件。2012年4月4日に大学院の入学式が行われる予定です。そのため2012年3月末に留学生宿舎に引っ越しする予定です。
C感謝の件。去年の6月(財)寿崎育英財団に「近況報告書」を提出するため、報告書を書く時は結構難しいと考えました。しかし「近況報告書」を作成することで、来月の計画を立てるようになり、より充実した1年を過ごすことができたと思います。また今まで書いた「近況報告書」を見直し、自分の経験を大事にすることもできました。このような経験が出来るように支援してくれた、寿崎育英財団の皆様にもう一度感謝の言葉を伝えたいと思います。ありがとうございます。

と結んでおられます。ものごとを善意に善意に受止めておられる留学生です。何のお仕事をなさっても大成功間違いなしのお方だと思いました。ありがとうございました。


○次の奨学生の方のお手紙の1枚にはお雛様の絵ともう1枚にはおいしいじゃがいもと書いて「じゃがいも」の絵をお手紙の余白にお描きになっておられる近況報告です。
本文は、私は先月行われた美術科の合同展を終わり今実行委員の仕事である会計の作業をしています。自分達が中心となって展覧会をすると言うのは初めての経験で、来て下さった方々の感想を聞いたり、力を合わせて作品搬入を行ったり、と、とてもためになる時間でした。8月には高校の同級生とグループ展を開くことになりました。大好きな人たちなので、今からとっても楽しみです。彼女たちに恥じないものをつくろうと思います。キット素敵な空間になります。又6月には大学内のギャラリーで個展をすることも決定いたしました。展覧会づくしです。しかも個展は私の誕生日から始まります。記念すべき20歳の第一歩を踏み出せたら良いなと思います。今年は卒展もありますし、制作づくしの1年になりそうです。幸せです。個人的な趣味としては、最近マンガを描いています。昔から読むのも好きだったので、想像力を養うという点でも、良い練習になります。投稿して賞を取れるよう、続けてみようと思います。

このようにおっしゃっておられます。
お手紙の紙面にはご自分でお描きになった「梅の花にお雛さま」と別の頁には「じゃがいもがおいしいです」と小さい字のコメントとおいしそうな「じゃがいも」を描いて文面がありました。この奨学生の方は相手を楽しませる名人とでも申上げて良い方だと思いました。
ありがとうございました。

○次の方は高校中退なさって後、一念発起して国立大学へ、弁護士を志望なさっておられる法科大学院の奨学生の方です。
私の大学では法科大学院の進学率が50%程度であることから期末試験はみんな必死です。そういう私も毎日3時間程度の睡眠時間で何とか試験を乗り切りました。体調が弱かった時のインフルエンザ等が一番怖いのですが、体力だけには自信があるので無事に風邪も引かずに力を出し切れたと思います。そしてとうとう司法試験まで1年余となりました。高校中退後、身も心も荒んでやんちゃをしていた僕からすると考えられないことです。でもやんちゃな日々の中で、目の前の壁に気づき、弁護士を目指そうと思ったきっかけ、を心に強く持ち続けていれば、あと1年半後には、無事試験に合格し、司法修習生になれると信じています。というわけで春休みの計画は以下の5つを達成したいと思います。
1.1週間に最低70時間勉強する。
2.1週間に2日は1時間程度の運動をする。
3.1.2年次の総復習をする。
4.新司法試験の過去問を毎週1年分6週で全て終わらせる。
5.新司法試験までの月単位の計画を立てる。
以上です。来月は無事進級の報告が出来たらいいなと考えています。

凄い方です。この方の今から50年60年のお仕事の出来る人生は、弁護士であろうと事業であろうと大成なさるお方だなと報告書を読まして頂きながら強く感じました。ありがとうございました。在学の皆様にも参考になるだろうと思いました。ありがとうございました。


○次の方は「難難汝を王にす」の諺を実践なさったお方とお見受けいたします。
学生最後の課題である、修士論文発表が終り自由に使える時間を使って学生生活6年間を通じて何を学び、どう成長できたのかを、振り返る良い機会だと思います。学生生活を通じて学んだことは、人とのつながりの大切さだと自分の中で感じることが出来ました。高校や大学入学時には友達や周囲の人は、それ程大切な存在ではなく、自分の人生に必要不可欠な存在とは思っていませんでした。しかし部活や研究室で、人と関わり、様々なことに挑戦し、一緒に経験することを通じて、仲間と一緒に努力し、目標を達成すること、そして感動を分かち合うことの素晴らしさを学ぶことができました。特にその感動を心から感じることが出来たのは、部活での団体予選突破の瞬間でした。私は大学から少林寺拳法に入部し、大学3年の時には、歴代初となる九州大会団体選予選突破を同じ代表8名の目標として掲げました。この目標達成の為、大会までに8人全員全力で100回の通し練習を行うという目標を立てました。練習を積み重ね、何とか大会までに100回の練習を終えたときには、自分にも、おそらく一緒に頑張った仲間にも「これなら予選突破は出来る」と確固たる自信を感じることが出来たと思います。本番の予選においても、自信から来る“ほどよい緊張”
とともに練習どおり、もしくはそれ以上の演武を行うことが出来ました。また目標であった団体予選突破も無事達成することが出来ました。この時の感動は、高校までの友達や仲間をそれ程重要視していなかった自分のままでは、決して味あうことの出来なかったものと思います。この経験はこれから社会人になる自分にとって、かけがえのない大切なものになると思います。学生時代に学んだことを、社会人になっても大切にし、次の仲間と感動を味あえる仕事の出来る人になりたいと思います。

と結んでおられます。
近況報告を読まして頂きながら、自分が現役でありましたら、奨学生のどの方もこの方も、社長をして頂きたい方ばかりです。この少林寺拳法を学ばれたこの方は卒業と同時に社長の出来るお方です。「我に七難八苦を与え給え」を地でいかれるお方。学生時代のこの貴重な体験に、私は心からお歓びを申上げます。よろしうございました。おめでとうございます。ありがとうございます。



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