平成24年7月2日
(財)寿崎育英財団奨学生への皆様へ
理事長   寿崎 肇

 3月の近況報告を出来るだけ多く掲載させて頂きたいと思い、皆様の近況報告を2度読まして頂き書き写し、それを浄書して事務局の松下さんに渡します。すべて私の勉強の為です。考えさせられることは、頂く近況報告はご自身を深く掘り下げてお書きになっておられます。他の方々に見られて良いものか危惧を感じます。しかしお許しを頂きたいのは、奨学生の皆様が今しか出来ないこと深く掘り下げ、それを乗り越えていかれる姿に感動いたします。人間である私の感動はお読み頂く奨学生の方々にも必ずプラスになる筈だ、と信じてホームページに載せさせて頂き、若し関係のない方がお読み頂いた時はおそらく今の学生は素晴らしいと感じられるものと思います。財)寿崎育英財団が奨学生の近況報告を誇りに思い、読まれる奨学生の皆様がご自身の現在や将来の為のお手本にして頂ければ有難いと思ってホームページを開設いたしました。近況報告を書かれた方々、どうぞお許しを賜りますようお願い申し上げます。

最初の方の近況報告です。今月は学校は春休み期間で普段はできないような時間の使い方をさせて頂いております。つい先日は大学病院の小児科の先生が作ってらっしゃるNPO法人の活動に学生として参加させて頂きました。鹿児島県最南端の与論島へ伺って島内の子供たちや、その保護者の皆さんからの様々な相談を受けたり、先生方の専門ごとに講演会を開いたりする活動で微力ながらも、お手伝いさせて頂いてとても学ぶことの多い機会でした。与論島は地理的には、沖縄の方が近く、海越しにお互いの島を肉眼で見られる程です。しかし県をまたぐということで、与論から緊急に搬送しなければならない場合(特に妊婦さん)は受け入れてもらえないのだそうです。沖縄の医療サイドの言い分もわかるのですが、そのような現実を改めて聞き、何ともつらい気持ちになりました。近い将来、医療の現場で働くことになる私たちですが、本県の持つ特殊性をプラスに転換していけるよう、少しでも地域のお役に立てるような一員になりたいと思います。4月からはまた新しい学年となり、更に専門性高い学習が始まります。かねてからの希望である助産師課程の科目が一気に増え、看護師、保健師、それぞれの勉強と並行して進むので毎日大変になりそうです。でも自分が好きで選んだ道ですし、今しかできないことを精一杯がんばってみたいと思います。と結んでおられます。学生さんの何でも見てやろう、聞いてやろうとのお考えで、時間さえあれば参加する。読まして頂きながら凄いと感ずるばかりです。この学生さんの県をまたぐと縦割りの弊害には驚きでした。いろいろ知らないことを教えて頂きありがとうございました。

次の方の報告です。大分で行われたTOEICの試験はほとんど受けられました。学校では3月13日に卒業式がありました。今年は見送る側でしたが、来年は見送られる側になるのだと考えると、何だか悲しくなってきました。と同時に1年という月日の短さを改めて感じました。「ついこの間入学してきたのに!」と友達と話していました。短大生活の1年は今まで生きてきた中で特に早く過ぎていきました。毎日がじゅうじつしているということかな、など思いました。今年は昨年よりも、しなければならないことが、たくさんあるので、もっと1年が早く感じると思います。1日1日目標を立て毎日それをクリアしていきながら充実した日々を過していきたいと考えています。とおっしゃっています。今年入学の1年生の方、これをお読みになってどのように覚悟をなさるだろうかなど考えました。どうぞ優秀な成績で卒業なさるようにお祈りいたします。ありがとうございました。

次に方の近況報告です。早いものでもう3月中旬となりました。来月は学校が始まっているのだと思うと、春休みや夏休みなど終わって欲しくない時間ほど、あっという間に終わるのだと、つくづく思います。学校生活も、もう4年目に突入しました。勉強勉強勉強で不安で不安でたまりませんでしたが、信じれば、何でもできるのだと思います。私の高校時代の友人が看護学校を今月卒業しました。この友人も入った時は、つらくて毎日のように泣いて、辞めたい、実家に帰りたいと思っていたと言っていましたが、もう今では鉄のハートを持ち、先輩の嫌味も気にしないと、ケロッとしていました。少し図太くなった方が将来社会を上手に渡ってゆけるように思います。アルバイトでつらいことが多々ありますが、これも社会に出ていくために鍛えられているのだと最近考えるようになりました。怒られるのも、私ができていないから、できるように教えてくださっているのだと思います。前はただ腹が立って仕方ありませんでしたが、考え方を変えてみると腹も立たなくなりました。ものは考えようだと思います。と結んでおられます。ものの見方考え方を自ら変えると幸せになるというお手本のような近況報告です。社会に出ても楽しく仕事のできる方だと思いました。ありがとうございました。

次の方の近況報告です。早い1年でした今まで一番充実した1年だったと思います。昨年は浪人生としての生活と看護学生としての生活が入り混じり苦しいことも、悲しいことも、嬉しいことも楽しいことも、たくさんあり、その1つ1つが私を成長させてくれました。この3月11日は東日本大震災から丁度1年が経ちました。1年前私はただテレビを見ながら、現実とは受け止められていませんでした。自分と同じように生活していた人々が一瞬にして命を奪われ、数えきれない程の人が犠牲になったことは非常にショックでした。あれから1年、悲しんでいるだけではいけない、前を向いていかなければならないと、私は思っています。これから社会を担う若者世代がどうあるべきか、看護学生としてどうあるべきか、将来看護師としてどうあるべきか、被災してない自分に出来ることは何かを考えて、少しでも復興の支援が出来たなら、そう思います。募金を続けることは、私が出来る数少ない被災地への支援ですが、長い目で見ると、やはり一番の支援は、立派な社会人として、看護師として、社会を支える一つの小さな力になることではないか、と思います。社会を支えることは、社会に出て働くことが当たり前かも知れません。ですがただ社会に出て働くのではなくて、日本の色々な問題や現状に関心をもち自分や家族のためだけに働くだけでなく、自分や家族を含めて生きている人、皆の力になれる看護師として働きたいです。自分が社会を動かしている力の1つだと考えながら働く方が、日本を少しでも良い方向に変えていけるのかなあと。きっとそういう力が集まれば、被災地に支援が届くのではないかな。地震から1年経って私はそう思います。そして何より感謝の気持ちを忘れないことが大事だと思います。お父さんお母さんへの感謝、叱咤激励しながら支えあっている友人への感謝。「誰かに支えてもらっていることを忘れないで1日1日大事にします」とおっしゃっておられます。感謝の出来る方は幸せな人生であることは間違いないと思います。ありがとうございます。

次の方は就職が決まらず卒業をいたしました。前の交付式の時、私は「プロサッカー選手になる」と近況報告をいたしました。まだその夢が叶えられておりません。3月19日に卒業式があったのにまだ就職が決まっていないという状況です。自分の夢を叶えるのは今しかないと思っています。プロのチームから練習参加の日を連絡しますとの返事をもらえました。今まだ大学で練習をしています。次期は、就職が決まってない不安などから、夢を諦めようと考えた時もありました。そんな時、昔のサッカーの友達と就職の話しをしていた時、自分が「諦めようと思う」と言った時に「お前が今いる立場は、なりたくとも、なれない人が沢山居る、せっかく夢が叶うかどうか、後一歩の所まで来ているんだから、就職が決まってないことを恥じたり、不安に思わずに最後まで悔いなく挑戦しろ」と言われ、自分の中で諦めるのをやめました。言われた通り夢を叶えるチャンスがまだあるので、自分はギリギリまで挑戦しようと思っています。と結んでおられます。友達とは素晴らしいな、とシミジミ思いました。プロ選手として1日も早く活躍出来ることを心からお祈り申し上げます。ありがとうございます。

次の方は便箋3枚の半分位が財団に対する謝辞の方です。卒業研究の製本も終わり、受験の為二週間に1回程東京に行っておりました。正直なところ受かることが出来たので、二週間に1回で済みました。そこは、ほっとしております。それ以外の日は引越し先の住居探しと引越しの為の片づけで天手古舞でした。兎に角、息つく暇も無い状態でした。この4年間を振り返り、悔いの無いモラトリアムでした。日々を精いっぱい生きている人程、月日は短く感じるものです。私は未来で後悔のない様程々に手を抜きつつ、今しかできない様な事に興じてきました。その体験は将来できっと意味のあるものになると思っています。実に有意義な時間でした。社会を意識しつつ多くを学び、自由を持て余し、何かに挑戦するには、うってつけの時間でした。時が過ぎるは必然。けれどもその時をどう扱うかは、大人であっても難しい、仕事に使うか、家族に使うか、自分自身にに使うか、は人各々ですが、どれも大切な時間です。時間の有意義な使い方の諸説は、様々なビジネス書等に書かれていますが矢張り難しいものですね。いつも時間がもっと欲しいと感じます。単に時間の使い方が甘いだけかも知れませんが。ここからは謝辞です。3年間ありがとうございました。からお礼の言葉が続いています。私としては当たり前のことをやっておるつもりですから面映ゆい感じでございます。でも喜んで頂けたことは私の人生で「以って瞑すべし」と思わして頂きます。ありがとうございました。

3月から4月にかけてこの年度最後の近況報告でした。頂いた報告は感謝の言葉が溢れていました。奨学生の方々皆様お幸せな人生をおくられる方々だと思いました。



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