平成24年7月30日
(財)寿崎育英財団奨学生への皆様へ
理事長   寿崎 肇

奨学生の参考になるものと思われる近況報告や私の勉強させて頂く学業のことや人間として私のもってなかったことへのご紹介をさせて頂きます。

最初の奨学生の方は奨学生に採用されたお礼のお手紙に続いて2通目の近況報告を頂きました。
○私は貴財団の奨学生にご採用頂き誠にありがとうございます。私は現在修士課程の学生として医学部の腎臓内科に所属し透析患者さんと栄養状態についての研究をさせて頂いております。貴財団の奨学生としてふさわしいよう、しっかりと研究に励んでまいります。修士課程卒業後は博士課程に進学し研究を続けたいと思っております。

とおっしゃっておられます。二便目の近況報告では
先日の奨学生交付式で暖かくも力強い、励ましのお言葉を各々の先生方から頂き誠にありがとうございました。勉強させて頂けることに感謝し、しっかり頑張ろうと思いました。先日透析医学会にて発表させて頂きました。おかげさまで、緊張せず、リラックスし、発表させて頂くことが出来ました。たくさんの質問をいただき、お答えしました。他の方々の発表を聞き、大変勉強になりましたし、よい刺激も頂きました。私は福岡の出身で1人でこの大学に来ましたので、近くには友人もおらず寂しく、また思うように研究成果が出ず悩んでおりました。ある日何気なく見たテレビで、カン・サンジュンさんが悩むことが大切、悩み抜いて突き抜けると「矢でも鉄砲でも」という気分になる、とおっしゃっているのを見ました。次の日早速書店でカン・サンジュンさんの「悩む力」を購入しました。カンさんは悩むことは若さ、青春であり、答えの出ないことを問い続けることが、よいことでもあるのではないか、ということを書いておられました。思い返しますと、私は幼い頃から家庭環境など悩むことばかりで、学校の先生から考えるのも良いが、やってみることも大切、と言われ、悩み続けることがよくない事だと思ってきておりました。しかしそれから私は、とことん悩み抜くことにしました。そうすると開き直り、突き抜けてきて今ではお陰さまでとても元気です。何があっても耐え抜く、矢でも鉄砲でもに近い気持ちになっています。これからも誠実に頑張っていれば必要なものは後からついて来る、と信じ感謝して頑張ろうと思います。来年博士課程を受験します。

とおっしゃっています。読まして頂きながら私も「悩む力」を読もうと思いました。悩み抜いた結果「矢でも鉄砲でももって来い」の悟りはこの方より20年位遅れて悟りました私でした。ありがとうございました。

○次の方の報告は高校時代から始めた陸上が大学での研究のプロセスと同じと思われるお話です。
この度私を寿崎育英財団の奨学生に選出いただき誠にありがとうございます。今回は大学での研究が陸上競技に通ずるものがあると感じましたのでお伝えしたいと思います。私は高校生から陸上を始め大学でも陸上競技部に所属しています。高校生の間は顧問の先生が普段の練習メニューから技術的な事、出場する試合まで、あらゆることをして下さり、生徒は言われるがまま動くいわば受動的でした。しかし大学での陸上は、全て生徒が考え行動します。いつ練習するのか何を目指すのか、つまり能動的になるのです。さらに私が専門種目としている100mではフォームや身体の使い方が、早く走るためのポイントとなります。陸上に関する書物、先輩、指導者等から、知識と技術を集め、試行錯誤を繰り返し、自分の限界に挑んでいくのです。この陸上の課程が4年生から開始した研究とそっくりであると気づきました。研究の方針、目標を自ら立て、実験する。失敗すれば、何が問題であったのか、どうすれば解決するのかを論文、先輩、教授の教えを頼りに探り、研究を進めていく、能動的に試行錯誤を繰り返し、追求していく課程が陸上と通じているのです。研究の進め方が陸上と同じである、気づいてからは、よりスムーズに実験を重ねる事が出来ています。純粋に速く走れるようになりたいと思い、始めた陸上が、大学4年生になって、研究の役に立っていることに驚きました。これからも肉体的精神、自主性を養える陸上競技を続け、就職してからも能動的に考え、行動できるように日々精進したいと考えております。

と結んでおられます。
読まして頂きながら事業経営の原理原則を悟った方のお話とも思いました。就職なさっての活躍が目に見えるように感じましたのと部下の指導にも会社として貴重な存在になるように思えてなりませんでした。頑張って下さい。ありがとうございました。

○次の方のお手紙です。
先日は盛大な授与式にお招きいただき、ありがとうございました。先生から直接奨学金を手渡ししていただき、がっちりと握手して、光栄に思うと同時に、身の引き締まる思いでした。外の先生方の話も、どれも「さすが人生の先輩だな」と思うお方ばかりでした。全て吸収し、私の糧としていきます。特に隣に座っておられた濱田先生の戦時中のお話は今は亡き同居していた私の祖父を思い出しました。祖父は生前昔の話をよくしてくれ、とても私達孫を可愛がってくれました。祖父のグライダーの訓練に行ったことや、学校の先生に戦争に行ってグライダーに乗りたいと言うと「お前は長男で農家の跡取りだから無理だ」と言われたこと等々、大好きだった祖父が蘇ってきました。前置きが長くなりました。今回初めてのお手紙と言うことで私の自己紹介をしたいと思います。私は平成2年9月23日に生まれました。から愛に満ち満ちた家族のお話です。最後になりましたが、このたびは奨学生として私を採用していただき、本当にありがとうございます。他の学生さんたちのお話を聞きまして奨学金を頂くということは、今までの自分では甘すぎる。もっともっと頑張らなくてはいけない、ということを自覚しました。そして今まで大学4年間私立の大学で国公立と比べて決して安くない学費。それを父母は「大学を卒業した瞬間から借金を背負って社会に出るのは辛いだろうから」と外の返済が必要な奨学金は使わせず、決して安定した収入の農家ではないのに学費を払い続けてくれた両親、私がやりたいと言うことは短期留学をはじめ、全てさせてくれました。そんな両親を少しでも楽にしてあげられるように、毎月頂く奨学金は全て両親に渡します。私が親になった時、鋳物両親と同じことができるだろうかと思います。本当にありがたいです。奨学生になれたことを喜ぶばっかりではだめです。責任と自覚が必要です。現在就職活動中です。支えて下さる方々総てに感謝をしながら、社会を創っていく一員になれるよう、試験や面接を頑張っていきます。

と結んでおられます。
交付式指導会でお隣の濱田先生のお話から曽祖母、祖父母、ご両親、お兄さんに頂いた愛情を思い出しながらの近況報告でございました。希望なさった職業に就くことが出来ますよう心よりお祈りいたしております。ありがとうございました。

○次の方は交付式のすぐ後のお手紙と7月に入っての近況報告を記載させて頂きます。
去る6月14日の交付式にて役員の方々とお会いすることができて本当に嬉しかったです。厳しいお言葉も頂きましたが、実家を離れて暮らす私にとっては貴重なお言葉でした。先生方から聴かしていただくお話は、私にとってとても貴重なものです。人生の先輩方から、たくさんのお話が聴ける機会というのは本当に得がたいものです。自分のこれからのことを考えさせられるお話、我が身振り返り反省してしまうお話など、どれをとっても自分に響くものばかりです。
引き続いて近況報告を記載いたします。
3年生になり卒業研究や進路のことが、より現実として迫ってきました。そんな中で先日学内にある放送大学の講義アシスタントをさせていただいたことをきっかけにして、自分が今までもっていた進路や将来の展望を一度白紙に戻し一から考え直すことにしました。課外活動では所属している委員会のオルガニスト代表を任され、四苦八苦しながら、仕事に追われています。仕事もさることながら、メンバーをまとめ、メンバー1人1人と関わることに、一番難しさを覚えます。何か問題が持ち上がったり、うまくいかないことがあると頂いた本「ありがとう寿屋」を開いて読み返すことも多くあります。実際に小さいながらも1つの組織の長になってみて御本の中に共感すること、心構えとして覚えておきたいことがたくさんあり、その1つ1つに線を引き、ページを折り、付箋を貼って、自分のうちに染み込ませるように、味わっています。ホームページを拝見すると奨学生たちの素晴らしい経験、すさまじい努力など紹介されており、私もやる気が出てきます。私の今年度の目標は、心理学検定、秘書検定、ワード検定を受けすべてに受かること、TOEICで700点をとることです。そして心理学の基礎を概観し、説明できるようになることです。怠け者の私には、少し高すぎる目標かもしれません。けれど御本の中で高い目標を掲げ実際にそれを達成なさっていました。そのことに鼓舞されるようにして、この目標を立てました。時間はいくらあっても足りないと感じています。お手紙で嬉しい報告ができるよう頑張ります。今年度も、どうぞ見守っていて下さい。

とおっしゃっておられます。

○次の方の報告は災い転じて福となした悟りのお話です。
私は現在医学部代二内科で研究させて頂いており、そのまま博士課程へ進学するつもりでおりました。指導教官にそのことをお伝えしましたところ、先生は栄養に関する研究を行っていないため、博士コースでは指導できない。推薦書はいくらでも書くし応援するから栄養に関することを、研究しているところを、探すようおっしゃいました。私は今、お世話になっている先生方を尊敬しており、とても良い環境ですので研究室に愛着もありショックで残念でなりませんでした。他の教室を調べましたところ、隣の第一内科が栄養に関する研究をされていたため、そのことを指導教官にお話しましたら、となりの第一内科の先生にご連絡下さいました。第一内科の先生に面接させて頂きました。受け入れて頂けるとのことでした。指導教官から指導できないと言われたときはショックでしたが、今考えますと、指導教官のおっしゃることは、ごもっともだと思います。私の今の研究室では、栄養に関する研究はされていません。私は管理栄養士ですが、将来を考えますと、栄養士としての専門性を活かすためにも栄養に関する研究を行う方が良いと考えています。今までのことを考えましたが、一時的に「悪いこと」は将来を考えると「良い事」でした。悪いこと良いことの変えられるかどうかは自分の考え方、取り組み方次第だと考えています。今後一見悪そうな出来事も、自分の力として、しっかりと活かしていきたいです。今月末入試を受けるための勉強。修士論文のための研究データの整理などに取り組んでおります。道に迷った時に新しい道が与えられて本当に感謝しております。

とおっしゃっておられます。
反省謙虚さは史上の妙薬開運の秘法と仏典でお伺いしたことがあります。この方がお医者さんになられた患者さんの病気は必ず全快なさるだろうと思いました。お元気で道を極めて下さい。ありがとうございました。

○次の方の報告です。先日の奨学生交付式では諸先生のお話を頂きありがとうございました。将来に向けてのお話や、お叱りのお言葉などありました。特に心に残っているお言葉は「これからの人生、必ず苦労が誰にでも降りかかるが、それを乗り越えていくためには、友人など相談する相手が必要だ」というお言葉でした。社会は厳しいものが待ちうけていて、それを1人で抱えこまず、誰かと話すことによって解決策を見出し乗り越えていけると私もそのように思いました。また他の奨学生の体験や夢を聞き驚いてしまうことが多かったです。私はどちらかというと、これまで夢というものに向かって、行ってきたことは少ないと感じます。しかしそれではいけない危機感を感じ、さらに何かもっと頑張ってみようと触発されました。今回の交付式では様々なことを吸収できたと思います。私は小売やサービス業に興味をもっています。そのきっかけとなったのはアルバイトです。現在もアルバイトをしています。現在4つすべて小売業・サービス業でした。大学生のうちにさまざまなアルバイトをしていきたいと思い、一定の期間が経ったら変えてみようと思い転々としてきました。そこで共通していたのは、お客様への対応ということでした。私はあまり人前で話すことは、得意でないがコミュニケーションを取っていくのは好きだなと分かってきました。それからはアルバイトの中でお客様への接客や対応に重点を置きながら、仕事をしてきました。このようなことから将来の進路というものが決まってきました。最近では、お客様には、健常者だけでなく、障害を持った方も居るため、「聴覚障害支援サポーター養成講座」というものを受け、聴覚に障害を持った方に、どう伝えられるかなどを学んできました。とても良い経験が出来たなと感じました。今後さらに、接客や自分で考える力、工夫する力、を身につけていくため、インターシップに参加したり、ボランティアのサークルに入っているので、人との関わりや、地域のことを知る機会を作っていきたいと考えています。

とおっしゃっています。
人を知る、地域を知る、そして長い将来の為の対策に小売業サービス業を大学とは別の学びの場で勉強なさっておられる姿には感動いたします。小売業もサービス業もその目的を「お客様の喜ぶことが自分の仕事」を一生持ち続けることが事業の成功、人生の幸福につながるように思えます。どうぞ頑張って下さい。ありがとうございました。

○次の方のお話は挑戦、挑戦、また挑戦と挑戦に明け暮れておられる感じの方の報告です。私は朝の6時30分には大学に登校し、夜8時頃に帰宅するという生活を繰り返しています。私はすぐに結果を求めてしまい、精神的な部分が揺れ動き、焦り、そして空回る、という欠点がありますが、この欠点を、とうとう克服できたという実感を得るに至りました。それは今年に入ってから「勉強とは何か」「学ぶとは何か」ということについて真剣に考え、自分にとっての王道スタイルを捜し求めたからだと思います。この自分への問いかけの答えはありませんが、確信を得ました。目の前に立ちはだかる壁を越えると、もっと険しい壁が待っています。それは私が努力することや、成長することを諦めない限り永遠に続きます。私は、いつだって真剣勝負をすることでしょう。時には打ちのめされることもあるでしょう。常に頂上決戦である以上、負けることは仕方がないことです。しかし私は壁が大好きなので、常に困難を求めます。なぜなら私が本当に望んでいることは、早く結果を出すことではないし、乗り越えた壁の向こう側に何が待っているかを知ることでもなく、いかに私らしく壁を越えるのかという点で常に新しい自分を生み出すということだからです。

と結んでおられます。素晴らしいお考えであり実践なさっておられる日にちが目に浮かぶようです。私の人生はモットモット泥臭いものでしたので感激いたしました。ありがとうございました。





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