平成24年8月18日
(財)寿崎育英財団奨学生への皆様へ
理事長   寿崎 肇

皆様から頂く近況報告を奨学生の皆様に多くお読み頂こうと思いますと私の勉強になります。楽しまして頂いておりますのでお許し下さい。つい長くなり、遅くなり、もう8月と言いますのに、7月分のホームページに載せて頂くのが多く残っております。お許しを頂いてお読み下さい。

○最初の方は心理学の歴史を創っていこうと言われる方の報告です。
私は臨床心理学の指定大学院に行こうと思っているので、研究テーマも臨床心理学の分野をしようと思っています。まだぼんやりしたテーマですが、今考えているのは“IQとうつ”の関係について調べてみたいと思っています。それと“孤独とアイデンティティ”の確立段階も合わせて、それぞれの関連を見てみたいと考えています。自分で1から研究するのは、とてもわくわくします。心理学は文系の分野と思われがちですが、そのイメージに反して「科学」であることをとても大切にします。なので厳密な実験をし、結果を数量化し統計学を使って分析します。けれど心理学の面白いところは「心」は測ることができないものという、前提のもとに研究者は研究するのです。私はそういう心理学の在り方に強く引かれるのです。人は誰しも「心」を持っているとされ、それは哲学を始めとして長い間、考察されてきました。そして「心」への新しいアプローチの仕方が「心理学」なのです。心理学は新しい学問の分野です。つまり若い私たちが心理学の歴史を創っていくことができるのです。とてもわくわくすると思いませんかこれからが楽しみです。

とおっしゃっておられます。この方は専攻の臨床心理学科の科目に加えキャリアイングリッシュ学科を取り授業のスタイルやブランクなどで大変な思いもし、自分の英語力のなさを思い知らされはしましたが大学院進学のための受験勉強の助けとなっておるともおっしゃっておられます。凄い奨学生に感謝いたします。ありがとうございました。

○次の方最初の失敗から自信を取戻した事は先生方のお陰と感謝の言葉で結んでおられます。では
今年度も奨学生に採用して頂き本当にありがとうございます。母と共に大変喜んでおります。前回の幼稚園実習では失敗ばかりしてしまい、沢山の方々に迷惑をかけてしましました。そのため今回実習ではそのようなことがないよう、気を引き締めて実習に臨みました。初めは緊張していたものの園児も先生方もとても優しい方ばかりで、その緊張も、あっというまに吹き飛んでしまいました。実習の中で部分保育と1日保育というものを経験させて頂く機会がありました。部分保育とは30分程度の短時間、担任の先生に代わり、製作活動をしたり、ゲーム遊びなどをしたりすることです。1日保育とは丸1日担任の先生に代わりを実習生がするものです。今までの部分保育では失敗ばかりで、途中で子供が泣きだしてしまったり、時間内に活動を終わらせることができなかったり、など困惑ばかりしていました。しかし今回の部分保育では、しっかりと計画を立て臨んだところ、とても楽しく活動することができました。1日保育でも同様に特に困惑する場面もなく、楽しみながら1日を終えることができました。この経験から、私も少しは成長できたのではないかと感じることができました。今回の実習で自信を取り戻すことができたためこれからは保育者になるための就職活動を一生懸命かんばっていきたいと思います。またこのように頑張ろうという気持ちになれたのも実習で貴重な体験を与えて下さった、先生方のお陰でもあります。その方々への感謝の気持ちを忘れずに夢に向かって頑張っていきたいです。

とおっしゃっております。
採用面接の時にこんな話をし、決意と共に親孝行の子供さんに育てたいです。と申上げたら不合格になるだろうか。など思いました。ありがとうございました。 

○次の方は小学3年生から書道、弓道部のキャプテンなど余裕のある大学生活を楽しんでおられるようにお見受け出来る奨学生です。

この度は私を奨学生に選んで頂き誠にありがとうございます。
初めてのお手紙でありますので私自身のことを少し書かせていただきます。私の出身地は京都市ですが
小1の夏より熊本にずっと住んでおります。小中学校では児童会、生徒会のメンバーとして様々な活動を行い高校では弓道部の主将もさせていただきました。気象学についてとても興味があり小学3年より書道をさせて頂き現在も続けております。週1回のお稽古ではありますが毎週とても楽しみにして通わせて頂いております。さて現在大学では今学期の学びも終盤を迎え仕上げの段階です。今学期、自分は何を学び何を理解したのかという点にこだわり、現在テスト勉強を兼ねた復習をしています。単に単位を取るためのテストではなく、自分の理解度を測る質の高いテスト受験にしたいと思っています。また先週習字教室で掛け軸にするための作品を仕上げました。完成まで約3ヶ月間書き込みました。が良い作品が出来ました。印も自分で彫ったものを押しました。1つの作品にこれ程時間をかけたことは初めてでしたが、とても勉強になりました。これまで10年間習字をしてきましたが、学びはまだまだたくさんあるなと実感した今日この頃であります。掛け軸は祖父母に贈る予定です。

とおっしゃっておられます。ありがとうございました。

○次の方は就職活動20社以上今もご苦労なさっておられる報告です。
昨日氾濫した川の近くを通りました。そこで目にしたものは沿岸の田んぼの真ん中に転がるドラム缶、ひっくり返ったプレハブ小屋、ぐにゃっと曲がったビニールハウス、流れてきたであろう大量の大木、東日本大震災の際は日々テレビに映し出される映像を見ても、やはり自らの地から遠いために、どこか実感がわかない部分がどうしてもありました。しかし今回この目で見た悲惨さに、人事とは思えません。実際に避難している友達も居ます。現在私は就職活動を継続しております。20社以上筆記試験や面接、エントリーシートを書いてきましたが、まだ内定はありません。「どうしてだろうか?」と考えた時に、私には反省が足りなかったことに気付きました。たくさん企業を受け、スケジュール帳が就活の予定で埋まり、毎日忙しく駆け回る日々に「私は就活を頑張っているんだ!」と酔っていた部分がありました。そして「たくさん受ければ1社ぐらい内定がもらえるだろう」と思っていた甘い自分がいました。それに気付いた時から1つ1つの試験に力を注ぎ、面接を受けた後は必ず質問内容を記録。そして自分なりの良かった点、反省点まで付け加えるようにしました。その成果はまだあらわれていませんが謙虚に自信を持って、これからも立ち止まらずに進み続けていきます。先輩の受験報告書を見ていると、こんな言葉を見つけました。「上手くいかなくても腐らずに、上手くいっても驕らずに」とても心に響く言葉でした。

とおっしゃっておられました。
来月の近況報告で「決まりました。」の報告が楽しみです。ありがとうございました。

○次の方はお母さん学生の報告です。
奨学生交付式でもお話させて頂きましたが、私は現在35才で3年生、4年制の大学を卒業を卒業後に就職し、結婚、妊娠、出産、を経て一念発起してこの大学に入学し現在3年生です。自分が初めて出産して助産師という仕事の存在を知り、母親と子供のためにサポートをする姿に感動をして、自分も助産師として多くの人の役に立ちたい、と思ったのがきっかけです。しかし「助産師になりたい」という想いは強くても、10代の同級生には体力や集中力が到底およばず、気力だけで頑張っています。我が大学の助産師の課程は助産師就職を希望して、かつ学力が基準以上の学生が毎年80名の中から10名以内で選考されます。今年度は9名の学生が採用されて私はそのうちの1人です。4年間で看護師、保健師、助産師の全ての国家試験に合格するための勉強をするので、他の同級生に比べて授業時間も実習時間も増えて、忙しくて弱音を吐きたくなることもあります。ですが、今再び大学で学べる幸せを忘れることなく、1人でも多くのお母さんと赤ちゃん、そしてその家族の笑顔に触れられるよう、いまここで一生懸命に頑張りたいと思います。

とおっしゃっておられます。
凄いと申し上げる言葉を申上げると共にお子様も小学校以上でしょうし、ご家族のこともおありでしょう。1つしかない体です。1日も早く有難い夢が叶えますようお体には十分お気をつけて頑張って下さい。ありがとうございました。


○次の方は「奉仕と」はと私に問いかけて下さった報告です。
今年度も奨学生に選んで頂きまた先月は、素晴らしい会を開いて頂きありがとうございました。先生達のお話は学ぶことばかりで毎回とても楽しみにしています。今月は夏休みに赤十字サークルから参加する被災地の子供達の笑顔のために、という赤十字プロジェクトの事前研修に参加してきました。心に傷をおった子供達がひとときでもそのことを忘れて楽しい時間を過ごせるようには、どのようにしたら良いか、そのためのルールは何が良いか、など全国の人達と接して刺激をもらいました。大学生の時に狭い世界で過ごすのではなく、もっと全国の人や違う国の人ともつながりたいと思いました。そして今回のプロジェクトとは、とても看護とのつながりが多いと感じました。今回学び実際経験したことが自分の宝となり、看護に反映できるように吸収していきたいと思います。

とおっしゃっておられます。
奉仕とは相手に喜んで頂くこと一生やり続けることが人間にとって最も大事なことだと感じ、ロータリーの標語に「最もよく奉仕する者、最も多く報いられる」とあることを改めて教わりました。ありがとうございました。

○次の方はカナダ研修の前のお考えを述べておられます。
先日は交付式にお招きいただきありがとうございました。先生方のお話はとても感銘を受けました。外の奨学生の近況報告にも刺激を受け、まだまだ頑張ろうと思いました。あと少しで海外研修が始まります。半年もない海外研修と言っても思っていた以上に費用がかかり親に申し訳なく感じています。しかしみんなと同じように海外研修をさせてあげたいと言って親が費用を負担してくれました。私はその親の気持ちに応えることが出来るように実のある研修生活を送りたいと思っています。研修の一番の目的は英語力を伸ばすことですので、もちろん英語をシッカリと勉強していきたいと思っています。しかしせっかく行きますので異文化に触れ、多くの人に出会い様々な場所に足を運びたいです。そして日本に帰る頃には一回りも二回りも成長して帰ることが私の最終目標です。初めての経験で分からないことや研修中辛いこともたくさんあるかも知れません。そんな時いつも頼りにしている親や大学の先生はいません。何事も1人で解決し、1人で動かなければいけません。人見知りで消極的な部分がある私にとって、それは大変なことだと思います。しかし、だからこそ成長できる機会であると思っています。何事も勉強だと思って一生懸命頑張ってきます。そして親に研修に行かせた甲斐があったと言ってもらえるような自分になりたいです。何よりも自分自身が行ってよかったと思えるような悔いなき研修にしたいです。

とおっしゃっておられます。
この方が研修を終えて帰国した時。当初行く時に思った一番の目的は英語力を伸ばす。とおっしゃっていましたがそれが英語で勉強できたので一回りも二回りも成長出来た。
とおっしゃるのではないか。など勝手なことを思いました。ありがとうございました。


○次の方は、ボランティア活動に参加して奉仕の喜びを満喫しておられる方です。
先日は素晴らしい交付式食事会にお招きいただきありがとうございました。たくさんの先生方から素晴らしいお言葉を頂き、日々思い返しながら勉学に励んでおります。近況報告と致しまして2つのことについてご報告させて頂きます。まず1つ目は毎月聾学校で行われている「クラブ」活動にボランティアとして参加したことです。「クラブ」とは聴覚障害のある子供達が各幼稚園、小学校から集まり、皆で活動をするというものです。先月の活動は「お菓子づくり」でした。「クラブ」に参加するのは2度目で簡単な手話を使いながら、コミュニケーションをとり梃子摺り(てこずり)ながらも、子供達は一生懸命作っておりました。出来上がったお菓子は、とてもおいしく、子供達が手話で「おいしい」と笑顔で言ってくれて、その笑顔にとても癒されました。子供達の帰宅後聾学校の教諭の方が実際の現場でのお話をして下さり、とても有意義な時間を過ごす事が出来ました。
この活動に参加したことで手話が出来るようになりたいと思い、本学の教諭に手話を教わっています。まだ始めたばかりなので、これからも日々努力していきたいと思っております。
2つ目は本学に韓国から4人の留学生が来たことです。私はサポーターとして、日本語の勉強や、県の観光、大学のイベントに一緒に参加しました。前から韓国に興味があったので、韓国についてたくさんのことを教えて頂きました。印象に残っている活動は本学で行われた「夏祭り」に浴衣を着て参加したことです。一緒に日本の文化にふれることも大切だと感じました。

とおっしゃっておられます。聴覚障害の子供さんが作ったお菓子を食べて「手話でおいしい」と言ったところに私はグッとこみあげてくるものがありました。子供さんは勿論ですがまだ若いご両親のことを考えてほろりといたしました。爺々です。
ありがとうございました。



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