平成24年11月15日
(財)寿崎育英財団奨学生への皆様へ
理事長   寿崎 肇

10月中旬に私は米国小売業の視察の為1週間のセミナーに参加いたしました。これは皆様の近況報告が一段落してご報告いたします。皆様から頂く近況報告を掲載するホームページを毎月1500人の方からお読み頂いております。研究に実習に勉学に真剣に取組んでおられる姿を多くの企業経営者もお読み頂き経営のご参考になさっておられるようです。

○最初の奨学生の方です。
先月末名古屋の学会に参加させていただいて、私なりに感じたことを、ご報告させていただきたいと思います。まづ、学会に参加してみて、何より驚いたのは高齢者領域、中でも認知症領域の研究、研究者が少ないことです。約2万人居るとされる臨床心理士の中で、高齢者領域に携わる臨床心理士はたった60人。投稿論文197件中高齢者領域の論文はたったの22件という現状を受けて、改めてきちんと追求する必要があると思いました。私は「認知症の家族介護者の負担感について」という論題のものと、学部の頃から研究をしてきました。軸がブレないことは強みだと言われてきたのですが、どこかで自分自身の視野の狭さを感じていました。1つのことを突き詰めることは、たくさんの知識の元に成り立つという思いから、たくさんの本を読んできました。しかし学会に参加して私は衝撃を受けました。臨床現場で理論に基づいて実際に実践されている先生方の事例を聞いていると、「どんな緻密な理論も実践を通して練り直される」という言葉そのものだと思いました。その中でも今まで触れることのなかった精神分析領域の「双子対象自己ニード」に強く感銘を受けました。双子対象自己ニードとは幼少期に親、友との関係性の中で築いた感覚を、また取戻したい、という思いです。学会の事例では、この双子対象自己ニードを高齢者に適応して、自己の統合を促進しようというものでした。近代の高齢者の方は住みなれた街でさえも、ビルが立ち並び親しい知人を失うなど、自分自身が変化しなくても、周りの環境の変化に伴い慣れ親しんだものが失われていく現状にあります。そのようなめまぐるしい、変化にさらされている高齢者にセラピストがかつての親友かのように関わることで高齢者の双子対象自己ニードを満たそうとするものです。理論としては同年代の中で満たされやすい、とされるニードが事例を通じて、次世代とのセラピストの方が、よりこのニードを満たすことが確認されました。事例の実際としては、セラピストとクライアントさんは孫とおばあちゃんほどの年の差があり、私は事例を聞きながら、高齢者への双子対象自己ニードの応用として孫の存在がかなり影響するのではないかと考えました。確固たる意志のもとに、研究してまいりましたので、自身の研究の方向性を変えるつもりはありませんが、この新しい知識は自分の視野を広げた1つの大事なオプションとして深めていきたいと思ったしだいでございました。またこれを学んだことで今まで以上に自分の祖父母に適当な係わりができるのではないかと思いました。実際は私情が絡みセラピスト的な関わりはできませんが。いつまでも祖父母と楽しく過ごせたらというのが本音です。学んだことは関わりのヒント程度として祖父母といる時はまだまだ、小さい時のままの孫娘でいたいと思います。学会のことばかり長々と書いてしまい失礼いたしました。


とおっしゃっておられます。
私にはこのような方が居ませんので、大変羨ましく読まして頂きました。ありがとうございました。
名古屋城のお土産を同封して頂きました。ありがとうございました。


○次の方は看護学部の方で解剖実習の報告です。
本物のご遺体を見学したり、実際に触れさせてもらったりしました。本物の人体のご遺体を見るのも触るのも初めての経験でした。解剖の部屋に入り、先生の話と共に解剖実習が始まりました。本物の内臓は本や文献で見るものとは異なり、また本や文献ではわからない硬さや触感も体験することできました。肺は思ったよりも硬く、色も想像と異なっていました。肝臓は思っていたよりも大きかったです。この実習で現在の医療は多くの人達の協力や命をもとに成り立っているのだと、改めて実感しました。将来そのような背景のある医療の現場に行くということで、どんな場面でも今日のことは忘れてはいけないことだと思いました。またこの貴重な実習で見たもの触ったもの、学んだものを今後の学習や将来の医療の現場に生かせるように、勉学に励まなければいけないと思います。この実習にご協力してくれた大学医学部の方々、そして、もちろん、ご遺体を見学させていただいた本人やそのご家族の方々に本当に感謝しています。(後略)

看護学部の方が他大学の医学部の行為で見学させて頂いたお話です。
身震いするような見学など。私には経験がありませんのでこのように想像いたしました。医師のかたがたは吾々人間にとって命の恩人です。有難いことです。ありがとうございました。


○次の方の報告は「継続は力」のお話をなさっておられます。10月の近況報告を致します。私はリチュームイオン電池の正極材の合成について研究しています。毎月研究の報告を先輩や教授にするのですが、この報告がとてもためになります。1ヶ月の内容を15枚程度のスライドにして、プロジェクターに映して発表を行います。出来るだけない湯を簡潔にし、分かりやすく伝える事は難しく苦労します。ですが工夫を凝らして毎月発表を繰り返すことで除々にプレゼンテーション力というものが身についてきたと感じています。この力は大学内に限らず、社会に出てからも重要であると考えますので、今後も継続して努力していきたいです。また私は陸上部に所属しており、先日試合に出場しました。200mで自己ベストを出すことができましたが走りの内容に納得がいきませんでした。練習でできていた動きが試合ではできずフォームが崩れていたためです。11月の上旬に今年最後の試合があるので走りを修正して臨みたいと思います。

と結んでおられます。
この奨学生の人間性とも申上げて良い何に取組んでも研究熱心な方、社会に出てのお仕事、何をしても頼もしいお方だと言われるお方でしょう。ありがとうございました。

○次の方の報告は「自分の殻を破る」お話です。8月末から5週間にわたる教育実習が終り後期の授業が始まりました。教育実習では授業においても、生徒との係わり合いにおいても、とても多くの学びを得ることができました。今までは人前で大きな声で話すということも、なかなかできませんでしたが、教師として実際に授業をして、堂々とした声と態度の大切さを実感し、自分の殻を破ることができました。生徒との関わりについても、生徒は教師の人間性をみているということを教わり、堂々とそして誠実な態度で接することの大切さを改めて感じました。大学で授業をきいているだけではわからない工夫や苦労、喜び、達成感を味うことができました。私にとってとても、意味のある5週間にすることができました。これからの勉強に十分生かしていこうと思います。
大学の先生と話し、具体的な進路も決まったので目標に向かい努力していきたいと思います。

とおっしゃっておられます。
生徒から尊敬され、生徒がこの先生の学校に来るのが楽しくなる先生になられることでしょう。
ありがとうございました。


○次の方は就職活動の終りが来て友達や家族に限りない感謝しておられる方の報告です。
今月先生にビッグニュースがあります!長く続いた私の就職活動に終りが来ました。県内の金融関係機関から内定をいただくことができました。やはり最後は「縁」というものがあるようで、気付けばポン、ポン、ポーンと最終面接まで進んでおりました。そして先月電話で内定の通知を頂いた時には、これまでの長い道のりや、初めて私と言う人間を理解して頂いた嬉しさを思うと、感極まって号泣してしましました。本当に、ここに来るまで長かったです。就職活動を去年の12月に始め約10ヶ月。「よく出来た」と思う筆記試験ほど結果は思うようにいかず「ああだめだったなあ」と思う時ほど案外スイスイと次のステップに上がっていけるものでした。最近は本当に先が見えず「私は一生就職活動しているのではないか・・・」と思っていました。今までの時間は決して無駄なものではない、と思っています。これまでの積み重ねがあったからこその結果だと信じています。内定は確かに私の就職活動に終止符を打ちましたが、ここで終りではなく、ここからが本当のスタートです。人生の始まりといっても過言ではありません。今まで私が落ちてきた企業に「ああ、やっぱりあの子を採用しておけば良かった」と思ってもらえるよう精一杯、私の力を発揮したいと思います。そして、今思うのは、決して私1人では、ここまで就職活動を続けることは、できなかったということです。まず友達の存在。先に就職が決まった子からは、アドバイスをもらい、とても参考になりました。辛い時はいつでもグチのひとつやふたつもきいてくれ、気分転換にお酒を飲みに行ったり、ドライブに連れて行ってくれました。内定の報告をした時、自分のことのように喜び、泣いてくれました。次に就職課の先生方。足を運ぶと、いつも温かく迎えてくださり、模擬面接の練習には納得がいくまで何度も何度も付き合っていただきました。最後に家族。私もとても辛く苦しい日々を過ごしましたが、周りにいる方も、とても辛かったと思います。私と一緒に一喜一憂してくれました。アルバイト代でまかなえるよにも関わらず「あなたががんばっているから」と交通費を出してくれたり、と金銭的にも支援してもらいました。内定の電話をもらった後、すぐ両親に報告しました。とても喜んでくれ、帰ると早速「内定おめでとう」のケーキと「いつでもあなたの応援隊長です。」というメッセージが用意されていました。この日は何度も何度も涙が頬を伝いました。照れくさくて感謝は伝えづらかったけれど、今言わなくてどうする!と思い「ありがとうございます」と言葉で伝えました。私と関わってくれている全ての方に感謝の気持ちでいっぱいです。今度は私が就職活動の中で得た物を後輩たちに伝える番です。「ポジティブな未来を信じていれば自然にドアは開かれる」本当にその通りでした。


とおっしゃっておられました。就職活動のドラマを読まして頂いておるようで涙が少しメガネにたまりました。良かったですね。改めて「おめでとうございます」と申上げさせて頂いきます。10ヶ月間吾が子の毎日を見守っておられたご両親の安堵のお姿お喜びの心が伝わって参ります。素晴らしい応援隊長でございます。ご両親がこのホームページをお読みになったら、お父さんは「流石吾が子」と膝を叩いてご満足なさることでしょう。どうぞ今から長いお勤めの人生が始まります。お体を十分お気をつけになり会社の為世の為人の為、相手に喜んでいただく奉仕を続けて下さい。ありがとうございました。


○次の方はノーベル賞を受賞された山中先生をご自身の励みにしておられる近況報告です。
私は現在11月30日の締め切りに向けて修士論文の作成に取組んでいます。約1年半病院に通わせていただき、頂いた患者さんの貴重なデータを生かすよう、しっかり頑張ります。日に日に締め切りが迫り焦ってしまう事もありますが博士課程への入学も決まっており、安心して修士論文に取組むことができるのは感謝です。いろいろと考えることもありますが、私のような環境に育ちここまで学ばせて頂ける人はかなり少ないのではないかと思います。本当に有難く頑張らなくてはと思います。山中先生のノーベル賞受賞。たいへん励みになります。手術にずいぶんと時間がかかり、邪魔者のように言われていたそうです。研究生活も挫折の連続だったそうです。私なぞ足元にも及びませんが私もあきらめずに頑張っていこうと思います。良い先生方にも恵まれ良い環境の中で勉強研究させて頂けることは本当に感謝です。12月に佐賀で研修会がありますので参加申し込みをしました。横浜から医師が講演に来て下さいますので行って参ります。

とおっしゃっておられます。
1年半も病院勤務をなさったら患者さんのことは十分でしょう。世に出てお医者様と言われる方、難関がいっぱいで最も勉強なさる大学生の方々大変だろうなと思います。ありがとうございます。


○次の方は中学時代から無欠席の方の報告です。
先月お手紙の中で話したように就職試験がありました。保育園での試験だったので内容は、面接、作文、製作、ピアノでした。どれも落ち着いて臨むことができました。心配していた製作は、牛乳パックを使ったペンたて作りでした。あと折り紙で作品を1つ作ることでした。カメラを作りました。面接官の先生方に、すごく好評でした。そのほかは緊張しましたがやり遂げた気持ちでいっぱいでした。無事そこの保育園から内定を頂きました。自分の夢である保育士になることが、やっと現実的になってきました。まだ学生生活は終わっていないので最後まで気を抜かずに頑張っていきます。

とおっしゃっておられます。
人生での最初の夢が叶いました。次々と夢は膨らんできます。成功をお祈り申上げます。ありがとうございました。


○次の方はハワイの学会で発表がご自信の人生に今まで以上に勉強を決意して帰国なさったお方の報告です。
10月7日から13日までハワイの学会へ参加していました。学会では自分の研究内容に関連する世界中の研究者達の発表を聞いていました。自分なりに似た研究でも問題解決へ向けたアプローチの仕方や実験方法などが、とても参考になりました。私はポスター発表を行いました。自分の研究内容に対して多くの研究者の方々からアドバイスを頂くことができましたので、とても有意義な次癌を過ごせました。学会発表の終わった夜の時間は指導教員とその研究仲間の方々と飲みに行ったり、前の学会で知り合った他校の方々と食事をしたりしました。仕事の後のこういう交流も人生の質を上げる意味で、大事にしていかなければならないと思いました。1年に1回程度しか会えない人々との交流でしたが、今後も良い関係を築き、お互いの研究を共に向上させていければ良いなと思います。帰国後は今まで以上に真摯に研究に励むことが出来るようになりました。今後もこのペースを維持していきたいと思います。これからの目標はまず一報、英語の研究論文を書くことです。道は険しいですが頑張ります。


とおっしゃっておられます。
只々凄いと思いました。今流の他流試合申上げて良いのやらと思いながら今の学生さんにそのような道があるのかと感動いたしました。ありがとうございました。


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