平成25年10月2日
公益財団法人 壽崎育英財団の奨学生の皆様へ
理事長   寿崎 肇
 
皆様から頂く近況報告は感激するものばかりです。ありがとうございます。
読まして頂きながら、私が皆様の年齢の時にこのような考えであったらもっとましな人間になっただろうなど、あちら読んでもこちら読んでも猛反省することばかりの皆様の近況報告です。ありがとうございます。

早速ですが最初の方。グループで話合いをする自分の経験出来なかったことを他の人から聞いて共有する学びがとても深まります。話合いの大切なことを話して下さいました。
私の近況報告をさせていただきます。先月行った看護実習のまとめを、今月やりました。自分達が学んだことをグループ毎に共有し合い、学んだことをまとめてパワーポイントを使ってスライドをつくり学年全体で共有しました。それぞれが学んだことを1つにまとめるのは大変なことでした。そして自分は経験できなかったことを他の人から聞いて共有し合うことで自分の中での学びがとても深まりました。大変でしたがとても大切なことを知ることができた有意義な実習となりました。この実習と、そのあとのまとめ共有を無駄にしないようこれからの大学での学びや看護師になった時の患者との関わりで、しっかり活かして生きたいと強く感じました。また地域看護論という講義の中で、看護教諭という職業について学び、とても興味を持ちました。今まで看護師もしくは保健師への道しか考えていませんでした。でも講義を聞いてまた新しい道もあるのだと知りおどろきました。まだ将来についてはっきりとは決めていませんが広い視野を持っていきたいと感じました。
とおっしゃっておられます。この方の考え方は何の職業に就いても同じだと思います。特に部下が出来たお仕事の場合なおさらです。10人とか100人とかの部下が出来た時上司になった方は相手の方お客様が見えません。この方の報告は極めて有効なことで上司として部下に指示をする時に極めて有効な手となります。ありがとうございました。

次の方の報告です。ご縁を大切に、と申せば当り前よ、となりますがもう一歩踏み込んでご縁を大切にとなさった方のお話です。10月の国際学会まで2ヶ月を切りました。先日プログラムも発表になり、日本からは私を含め4人の大学院生がエントリーしています。名のある先生方の発表ばかりでなく、他の大学院で学んでいる学生の発表を見聞きすることは今後の自分の研究においてより大きい刺激になるのではないかと楽しみにしています。以前京都府立医科大学の認知症研究会に参加した際に認知症専門医の○○先生が最新の忘れ傾向や脳の仕組みなどについて詳しくご講話くださいました。その内容にとても感銘を受け勇気を振り絞り名刺を交換させていただいたことがありました。それからはメールで近況報告をしたり、年賀状の交換をさせて頂いたりと、見ず知らずだった一学生相手にとても手厚いご支援を頂いております。その先生から先日メールをいただき10月の国際学会でご一緒させて頂く際にカナダのDr○○先生をご紹介したいので、どこかでお会いできませんかとの内容でした。ヨーロッパでは最新の認知症研究が行われており、その研究の筆頭研究者であるDr○○先生とご一緒させていただけるとのことご報告は、今でも夢のようです。小さい頃から人見知りが激しく引っ込み思案だった私ですが、約1年前のあの日たった1枚の名刺を交換しただけで、自分1人だけでは到底知り得ることのできなかった世界と巡り合わせていただけてます。大学はこれまでのカリキュラムの決まった生活とは違い個々の能動性が試されてきました。大学院ではなおさらです。自分のやりたい研究は自分で動かなければ、そう簡単に手に入れることはできません。私はきっとどんな学生よりも出会い巡り会いに恵まれていると感じています。この出会いを無駄にしないよう残り半分となった院生活を充実したものにし、研究や論文という形にしてご恩返しできたらと思っております。愛着のある研究を適切に伝えられるようにと、今英会話教室にも通い始めました。ネイティブの英語は早く、聴き取ることさえ困難でしたが、続けるうちに今まで知らずにきた英語の楽しさも少しずつ感じるようになってきました。万全の準備をして臨みたいと思います。明日の臨床心理士模試も全力を尽くしたいと思います。
とおっしゃっておられます。見ず知らずの1学生の自分。勇気をふりしぼり名刺交換をした大学生にメールでの近況報告、年賀状など差上げることでどんな方でも感心し、なんとかこの学生の喜ぶことうをしてあげようと思うことは当然です。この奨学生の方は、たった1枚の名刺交換とおっしゃっていますが、相手の喜ぶことをして差上げたことが、すべて成功の秘訣であります。素晴らしいお話大へんありがとうございました。

次の方の市場原理についてのお考えは私自身勉強になりました。最後のほうではアメリカの話ではありましょうが病院は株式会社化して、とあり医学生の方には申し訳ないと思うことですがお許しを頂き、日本の吾々は「恕」の心の医学だと考えてはいかがでしょうか。では。
7月に10冊の読書を目標にしていたのですが目標に達しませんでした。確かにキックボクシングの試合やテストなどすべきことは多々ありましたが、やれない訳ではなかったと考えると後悔しかあるません。8月しっかり10冊を達成したいと思います。7月を通して考えていたことは「市場原理」とは何かということです。アメリカにおいては、新自由主義政策として「市場原理」を多くの場面で適応してきました。その問題点は貧困層において顕著に表れています。日本においても小泉政策から「新自由主義政策」に政策の方針を転換しました。それはつまり、市場原理を様々な現場で応用しようということなのです。では市場原理とは何かということを考えねばなりません。市場原理とは市場が様々な過不足やアンバランスを自ら調整し最適化する仕組みや機能のことです。主に価格は需要と供給によって規定されるという考えのことを言います。この考えを様々な現場に持ち込んで競争を起こそうというのが「市場原理主義」であり「新自由主義政策」なのです。例えば、労働市場を考えてみましょう。労働における供給は労働者自身の労働量、そして需要はそれを必要としている企業です。これ等の量により、賃金が決定されるということになります。そこで考えられることは失業の問題です。失業が生じているのを史上の原理を用いて説明するのであれば需要を供給が上回っているという状態です。ではそこでどうすれば失業問題を解決できるでしょうか。それは賃金を下げて需要を増やすということです。しかしこれは本質的な問題の解決につながるでしょうか。ただ賃金を解消すれば今日本のはびこる失業問題は解消されるでしょうか市場原理主義とは市場に原理、つまり競争を持ち込むべきではない場面にまで競争を持ち込もうとする思想です。これが良いか悪いかはその人の思想によるのでしょうがこれははっきりしとした労働疎外を招いていることは疑いのない事実です労働以外にもアメリカでは教育や医療の現場でも市場原理が適用されています。さらに不採算な現場はどんどん切り捨てられ利益を生まない科はどんどん減らされていきます。後略
 アメリカでの競争原理についての話でしょうが、つまり利益追求の競争原理はおっしゃるとおりだと思います。私の知った限りでは利益を目的とした企業で生き残っている企業はない。続かないと伺っています。ロータリーで「最も良く奉仕する者最も多く報いられる」と標語にあります。利益を度外視してでもお客様の喜ぶことを懸命に行え。と教えています。奉仕とは相手の喜ぶことをやり続けること。それが人生の幸福、事業の成功の基礎になると考えております。相手が喜ぶことを競い合うこれが市場原理競争原理と考えては如何でしょう。毎年アメリカ小売業視察に行き競争の姿を勉強させて頂いておりますが、相手(お客様)の困っていることを良く叶える、お客様の喜ぶことは何をすれば良いか。をお店を見学しながら経営者のお話を伺って人間を疎外した事業は生き残れない。アメリカの人も人間、日本人も人間、人間の求めることは世界中同じなのか。孔子さまのおっしゃった人間一生行い続けることは思いやりの心、恕の心は何の職業も最も大切にしなければならないと私は信じております。10月に米国小売業の視察に参ります。奨学生の皆様に報告の出来ることを楽しみにしております。この近況報告を下さった奨学生には申し訳ない感じですが私のような見方考え方をする人間が居るのだと思って失礼をお許し下さい。ありがとうございました。

次の方は活字離れについてのお考えをおっしゃっておられます。小学校教員二種免許、算数、理科の夏期講座も無事終り、図書司書免許を取得する為日々講習を受けながら、新しい知識を学んでいるところです。その講座の中で何度も話し合ったテーマがあります。それは「活字離れをしているのか」です。活字は新聞や本、コラムなどにたくさん載っています。多くの専門家達が「活字離れ」を示唆しています。しかしこれを決定付ける結果は何一つない。というのが今の現状なのです。たしかに、本を読まない小中学生、不読者は増えているようです。しかし、活字が本だけでない事を考えると不思議な意見ではあると思い、では何がそうさせたのか議論してみました。その結果インターネット、スマートフォン、ゲームなどの普及ではないか、となりました。最近このような娯楽が増え、そちらにばかり時間を費やす子供達の姿から「活字離れ」は生まれたのだと思います。しかし忘れてはいけない事があります。それはそれらの娯楽の中にもケータイ小説やブログなどの活字があふれていることです。しかし最近の子供達はその活字よりも絵や写真といった視覚的で、よりインパクトのあるものを欲している様に思える点が問題であると感じました。講座の中で小、中、高、特別支援学校の先生方や主婦の方々と討論できることは、とても有意義であると同時に学校図書の実態も知ることができ、本当に興味深いです。こんなにも充実した機会があり新しい知識、意見も知ることができ最高です。まだ講座は続きますが新しい教授ということなので、また違った新しい発見を期待して講座に臨みたいと思います。
とおっしゃっています。活字離れ、昔テレビが出はじめた頃もこの言葉があったような気がします。もっと後だったか。小学校中学校の先生方にとっては困ったことでしょう。字を読むことが楽しくなるような授業を発明することも必要なことでしょうか。門外漢の私はどうして良いかわかりません。しかし勉強させて頂きました。ありがとうございました。

 次の方は大学生として中学生高校生80名を引率して1ヶ月米国に留学なさったお話です。
今月私は中学生高校生約80名を引率してアメリカ、オハイオ州へと約1ヶ月行ってきました。これは公益財団法人ラボ教育センターのプログラムでアメリカの家庭に約1ヶ月ホームステイ、また異文化体験を通して英語に対して興味関心を持ってもらうためのプログラムです。私自身、当公益財団のプログラムで中学校1年の夏(2003年8月)にアメリカ、オレゴン州に約1ヵ月ホームステイを行いました。当時は2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件の直後ということもあり、アメリカは常に緊張感に包まれていた記憶があります。また英語は中学校1年ということもあり、まったくというほど分かりませんでした。それから10年後の今年2013年8月、あのアメリカ合衆国に再び来られるとは夢にも思っていませんでした。今回は参加者ではなく中学生高校生の引率という立場での参加、通訳はじめホームシックなどの心のサポート役として1ヶ月引率しました。引率をしていてまず、思ったことは最近の中高校生は堂々と国際交流をするということです。海外と近くなったこの時世中高生は積極的に国際交流を行います。10年前私は常に消極的で英語をしゃべることに対して抵抗感を持っていました。堂々とアメリカの方と会話する中高生を見て感心しました。一方で最新の中高生は英単語を調べる時に電子辞書を必ず使います。電子辞書は早く調べることができて便利です。私も利用していますが大変便利です。簡単に英単語が分かる一方で英単語の力はつきません。私は英単語を調べるときは紙の辞書を使います。マーカーで必ずチェックを入れるようにしています。こうすれば自分が引いた言葉がすぐに分かります。便利になった世の中だからこそ、中高生には、うまく使いわけ、英単語を自分の物として獲得してもらえたらいいなと思いました。私自身も約1ヶ月ホームステイをしましたが大変有意義なものになりました。アメリカの方の優しさや、おおらかな精神、時には異国文化の違いでカルチャーショックを受けることも多々ありました。しかし人と人との交流はうそをつかず私を含めすべての参加者ホームステイを受入れて下さったアメリカの家族との間には確かな絆というものがあるように感じました。たかが中学生高校生の1ヶ月の国際交流プログラムですが参加者にとって一生の体験になったのではないかなと思います。
とおっしゃっておられます。
ご自身が10年前中学生の時にアメリカでのホームステイを経験したことを買われて中高生を引率という立場での1ヶ月のアメリカだったのです。凄いなと思いました。中学生が堂々と国際交流をするお話など毎年米国視察を行っている自分が恥ずかしく思いこのような企画をなさる大学の素晴らしさに感激いたしました。ありがとうございました。

次の方はサークルで行った自閉症の子供達と3泊4日のキャンプで特に思い出は山登りに往復6時間を費やして成し遂げたお話などの近況報告です。
今月の近況報告はサークルで行った夏キャンプについてです。この夏キャンプは県内の大学で行われる自閉症の子供達や大人の人と月に1回触れ合う日曜学級というものの行事の1つです。自閉症の子供達と3泊4日大隅の方に行ってさまざまなことを体験してきました。4日間を通して多くの思い出がありますが一番の思いでは登山をしたことです。私達学生と子供達がペアになってお互いに協力しながら登りました。私はこの夏キャンプに行く前とても不安でいっぱいで、この登山も本当に登りきることが出来るのだろうかと不安ばかりでした。しかし子供達が学生より元気でその元気があったからこそ往復6時間を仲間と成し遂げることが出来ました。登山以外にも物を作ったり、水泳、キャンプファイヤーなどをして子供との絆を深めることが出来ました。私はこのキャンプのおかげで少し自分が成長できたと思います。この経験を通して学んだ多くのことをこれからの学生生活に生かせるようにしていきたいと思っています。
とおっしゃっておられます。自閉症の子供達の為のキャンプだったのでしょうか喜んだのは大人の方々であり特に勉強になったのが学生達だったのだろうと思いました。ありがとうございました。

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