平成26年2月19日
公益財団法人 壽崎育英財団の奨学生の皆様へ
理事長   寿崎 肇
 
 平成25年も終わります。皆様の近況報告をもっと多くホームページに載せたかったのですが思うように行かず、今回の分が載せられると良いなと思いながら皆様の近況報告を写させて頂きます。私にとって思うように捗らない年でしたが、健康にも自信がつきましたので新年は皆様に負けないように頑張ろうと思います。10月の米国小売業視察については年明けに報告したいと思います。
では最初の方の報告です。戦争経験の超年寄りの方と小学生の人との実習での対話には私もホロリといたしました。

国際学会から帰国した足で精神科実習に入り、一段階落ち着いた頃に体調不良を覚悟しておりましたが、毎日元気に内部実習等をこなしておりましたところ本当に久しぶりの土日、せっかくの休みだからちょっと生き抜きをしようと思っていた2日間に発熱し寝込んでしまいました。人間気が抜けるとダメですね・・・。近況報告はもう発表まで2週間を切った、日本高次脳機能障害学会の準備に追われています。多くの方に協力していただいた貴重なデータをどのように伝えるのが効果的か、毎日パソコンの前で、ああでもないこうでもないとにらめっこ状態です。ここを乗り切って、来月の近況報告は有意義で貴重な経験になったと報告が出来るよう残された時間精一杯やっていきたいと思っております。
このような学会準備に追われながらゼミ担の研究のアシスタントをさせて頂く中で、とても感動的な場面に居合わせて頂く事がありました。私のゼミ担は「メモリーブック」という高齢者の方の思い出を第三者が聞き取り、一冊の本にまとめようという回想法の一種を用いた療法を行っています。このメモリーブックは元々は認知症高齢者の方への治療法的意味合いをもったものですが、一般健常高齢者の方にも適用できないかと考えゼミ担が前任校に居る時に、大学生と地域の高齢者の方とで試みていました。それを今回は小学生と地域の高齢者の方という初めての試みをされて、そこに参加させて頂きました。心理領域にいると、なかなか定型発達の子どもや、健常高齢者の方と接する機会がなく、その場に居させていただくだけで学ぶことがたくさんありました。中でも印象に残っている出来事として戦争の話を聞いている時に1人の男の子がつらくなり、顔をふせてしまいました。それに気付いた女性の高齢者の方が徐々にポジティブなほうへ話を持っていこうとした、そのときにがパッと顔を上げて「戦争はすごくつらかったと思うけど、それでも○○さんがこれまで生きてきて、ああ生まれてきて、ああ生きててよかったなと思うことは、どんなところですか?」聞きました。女性の方は笑顔で徐々にご飯が食べられるようになったこと、今こうして小学生の皆さんと会えること、など伝えると、そこのグループに居た小学生の子供達が「私達の幸せな生活は当たり前のように思っていたけどそうじゃない時代があって、こういう日本をつくって下さった方々が、いたことを自分達がおじいちゃんおばあちゃんになったときにまた小学生に伝えて生きたいです。と。つらい経験の話も受け止め、そして感謝し、次につないでいこうとする人生の先輩(高齢者の方)と後輩(小学生)を目の当りにして、人と人とのつながりが手軽になる一方で薄くなってきたこの時代に、この一期一会の機会をここまで活かせる方々が居たことに感動しアシスタントであることを忘れて涙した日でございました。子供達は勉強の時間をぬって1人1人に一冊の手作りのメモリーブックを贈呈し高齢者の方々は涙を流しながら喜んでおられました。メールが主流になった今だからこそ、やはり手書きの文字から伝わるぬくもり、はいいものだなと思いました。
とおっしゃっておられます。小学生も凄いし、名アシスタントぶりを発揮なさったこの学生さんも凄い方です。書き写しながら何度も何度も字が見えない位涙でした。素晴らしい報告書でした。ありがとうございました。

次の方は留学生です。国際社会に幅広く貢献している企業で働きたい目標をもって日本に留学なさった方です。私が日本に留学に来た目的は「国際社会に貢献し活躍できる人間になること」である。そのため入学した大学は多文化な環境の中で適応力や交渉力などを高め、さらに様々な活動に幅広く参加することで、日本語能力の向上、および日本社会の理解に努めてきた。私の大学での学習計画は「授業での習得」「実践」「専門以外の分野の理解・気付き」の3つである。1つ目は授業での習得について述べたい。私は大学で国際経済を専門として学んでいる。現在、経営、金融などの専門科目を少人数クラスでディスカッションや教授の指導の下で研究を行っており、今後も専門の理解をさらに深めたい。2つ目は大学の専門科目の理解を日本の小売業である株式会社で実際に使うことでビジネスの意識を身につけることである。今まで、大学で学んだことを基にオンライン販売システムなどのビジネスプランを作って提出したところ、その案が採用され、社長のアメリカ視察に同行させて頂いたことがある。今後も大学で学んだ知識を活かして様々な提案を行い実践を通じて深く経営について理解したい。3つ目は専門以外の分野の理解・気付きについて述べたい。私は現在「ジレンマ」というデイペートサークルに所属している。そこでは、世界各国の学生たちと地球温暖化などの国際社会の問題を取り上げ、解決策や意見を交換している。この活動により、多角的を視野、考え方を発展させ、将来世界の社会的、政治的な問題に立向かうことができる実力をつけたいと思う。以上3つの学習計画に積極的に取組むことで将来の目標を実現させたい。卒業後、国際社会に幅広く貢献している企業に就職している企業に就職し、大学で学んだことや経験したことを活かしたい。自国のような発展途上国の生活環境を向上させ、現地の発展と企業の発展との架け橋となる人材になりたい。人生は限られている。時間を無駄にせず、多くの人々の幸せのために努力することが自分の幸せへとつながると考えている。

と結んでおられます。
留学生の方の近況報告です。お書きになった報告書も留学生の感じは少しも見えません。人様のお役に立ち喜んで頂くことが自分の喜びにつながる哲学をお持ちの方です。こんな方が日本の企業に希望どおり働いて下さるならその企業も大いに発展して下さるものと思います。ありがとうございました。
この方の近況報告で平成25年分を終了いたします。私の宿題は10月の米国小売業視察報告ですが、皆様からの近況報告のホームページに載せる分が多いので暇々に作って近い内に報告したいと考えておりますので、もうしばらくお待ちください。平成26年があなた様にとりまして、夢と希望と喜びに満ち満ちたお元気で笑顔の絶えない毎日でありますよう心からお祈り申上げます。
今年1年誠にありがとうございました。


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