平成30年10月31日
公益財団法人 壽崎育英財団の奨学生の皆様へ
理事長   寿崎 肇
 

実りの秋を迎えました。おいしい果実が頂ける時です。ありがたい時です。奨学生の皆様の近況報告を読ませて頂く中で2夜徹夜をなさって勉強なさっておられる方のお話や、私なんか出来ない無理をなさる奨学生の方々。体は大丈夫だろうかと気になる方が多い。1つしかないご自身の体です。皆様の時代は100才時代。我々の生まれて来た目的は世のため、人の為のお役に立ち、自分以外の相手の為に喜んで頂く人生です。どうぞお体には十分お気をつけなさいますようお祈りするばかりです。

最初の方は夏休みを利用してフランスへの1人旅。「百閧ヘ一見にしかず」と旅行で実感したお話です。では、

○8月中旬から長い夏休みに入り、中学高校時代の友人と遊んだり、アルバイトをしたり、英語の勉強に励んできました。その中でも今年の夏休みに「海外旅行」したことが一番心に残っています。9月の中旬に1週間フランスに行きました。私にとって初めての海外であり、初めての1人旅でした。フランスに行った理由は大学1年の時にフランス語を習っていたから。また、フランスの歴史や文化に興味があったからです。出発前は特に治安の面で心配でした。パリはスリが多く、治安が悪いと言われているからです。しかし実際に行ってくると私の心配し過ぎで、気を付けていれば何も起こりませんでした。むしろフランスの方々はとてもあたたかく、優しい方ばかりでした。また教科書で見たことがある美術作品や世界遺産を自分の目で見ることができ、非常に感銘を受けたことを覚えています。「百閧ヘ一考に如かず」「百考は一行に如かず」「百行は一果に如かず」「百果は一幸に如かず」「百幸は一皇に如かず」「見るだけでなく考えないと意味がない」考えるだけでなく行動すべきである。行動だけでなく成果を出さなければならない。成果をあげるだけでなく、それが幸せや喜びにつながらなければならない。自分だけでなくみんなの幸せを考えることが大切である。私は周りの人々の幸せを考えて行動できるような人になりたいです。今回初めて1人旅をして自分がいかに家族、友人や先生方など周囲の人に支えられて生きているか気づくことができました。その人達に感謝し自分が幸せを与えられるような存在になることを目標とし、日々精進しています。

とおっしゃっておられます。
この方はもともと感謝を当然と思っておられた方と思われます。分内で「百幸は一皇に如かず」の一皇の意味がわかりません。いずれ教えて頂けると思います。ありがとうございました。


次の方の報告はご自身の学科と同じ獣医学科のフランス人がベルギーの大学生として日本に留学の学生への指導について報告して頂きます。では、

○今月から私が所属する研究室に外国人留学生が来ました。彼女はフランス国籍の方です。ベルギーの大学に通う獣医学科6年生です。ベルギーの大学では実際に手を動かして実験をした経験がないということで、これから3か月の間、様々な内容の実験を体験してもらい、実験手段を身につけてもらいます。私はある実験について、その原理から方法、解析の仕方、結果、解釈までを実際に指導しています。もちろん英語で伝えたり、指導したりしないといけないので、自分が思っていることを十分に伝えられないという点でもどかしく思うことのほうが多いのですが、それでも意志の疎通ができた時は嬉しいです。同時に自分の英語のレベルを上げないといけないなと痛感します。実験は慣れの部分も大いにあるので、初めて行う実験はうまくいかないことが多いです。留学生の方も手技の不安定さが原因であろう。あまり良くない実験結果となりました。彼女のためにも問題点を見つけ、伝え、改善していくことが、今考えているところです。実験以外でもフランス、ベルギーのこと一人の人間として話したいこともたくさんあります。折角日本に来てもらっているし、良い機会ですので、そういうことも大切にしたいと思います。今回の留学で実験手技の習得だけでなく日本でのこと、研究室での体験、経験をたくさん持ちかえってくれたら幸いです。

とおっしゃっておられます。
私達のような世代は英語の練習を十分して留学する時代だったのに、今は留学生を迎えて指導の為に英語の勉強をしなければ、良さは当然、日本の素晴らしさを伝えて帰国してもらう。そんな時代になったと感じています。ありがとうございました。


次の方は大学院を九大として合格。現在は卒業研究に没頭しておられる報告です。では、

○来年度以降の進路が決定しましたので報告いたします。先日九州大学大学院工学部機械工学専攻の大学院入学試験の合格発表があり、その結果合格することができました。おかげさまで第一志望だった「流体科学研究室」への配属が決まったため、来年4月から福岡に転居し九州大学に通います。院試を終えて、現在は卒業研究に向けた勉強に取り組んでおります。卒論では「制御工学と機械学習の融合に関する研究」というテーマのもと機械学習(人工知能AI)を使ったシステムの制御に対して、従来から行われている制御理論を用いた安定化の手法を織り交ぜることで性能と安全性を両立することを目指す研究を行っています。制御工学は一見すると数学を使った抽象的な学問と思えるのですが、院試を終えて改めて勉強してみると大規模プラントや産業用ロボットなどのハイテク分野だけでなく、とても身近なところで私たちの生活に役立っている技術であることが分かりました。例えば水洗トイレのタンクの水位を維持したい、電気ポットのお湯の温度を一定に保ちたい。振動が少なくて乗り心地の良い自動車を設計したい・・・。そういった多種多様な用途で制御工学の技術が活躍しています。ソーラーカーサークルや実習の授業で経験してきた実際の「ものづくり」と制御工学の「理論」の2つが頭の中で繋がったことで学問に対するモチベーションが非常に高まりました。今後も勉学に精進してまいります。

とおっしゃっておられます。
難しい機械工学の勉強でも世のため、人のために役立とうとする勉強は頭が下がります。九大の大学院で研究なさることもご希望とおりの人々の喜ぶ研究をなさるだろうと思いますと私までワクワクいたします。ありがとうございました。


次の方は市電の看板で勉強したいことを見つけ参加してお役に立つお話です。では、

○私は今月の15日に、市が開催の「認知症サポーター養成講座」というものに参加してきました。私がこの講座を知ったきっかけは市電内にあった看板です。市電に乗っていたらその看板が目に留まりホームページから申し込みをいたしました。どこに自分の興味をひく情報が散らばっているか分からないとしみじみ思う体験でした。私がこの講座に興味をひかれた理由は2つあります。1つ目は私の祖母が現在認知症だからです。以前は祖母が認知症の影響で、たまに私の顔や名前を忘れてしまうことにショックを受けたりしていました。しかし今では「認知症になったのは仕方のないことだ。祖母の認知症と向き合うステップの1つとして今回の講座に参加しました。2つ目の理由は私の勤める就職先が関係しています。私は4月から福祉用具に携わる仕事に就きます。仕事をしていく上で福祉用具の利用者の方やその家族の方と接する機会があると思います。その中で認知症に関する知識はあるに越したことはないと思いました。認知症は身近な病気で福祉用具を利用する利用者の方も多くいらっしゃるのではないかと思います。私が少しでも認知症を学んでいればそういった方々の気持ちにも寄り添えると思いました。講座は本当に素晴らしい内容で認知症の方やご家族の方、認知症とは関わりがない方でも理解しやすく認知症のマイナスなイメージを覆すものでした。最も大切なことは認知症によって起こる症状は決してなってしまった本人が悪いわけではないということです。認知症になってしまった人を責めるのではなく周りの人の認知症とはどういうものであるかを学ぶことが重要だと思いました。この講座に参加して本当に良かったです。

とおっしゃっておられます。
私は認知症の原因がどこにあるのか知りませんが医師に伺えばわかる筈、人ごとではありません。私自身も認知症の心配ない。とは誰も保証しません。このお手紙で私も勉強をします。ありがとうございました。
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