令和元年10月30日
公益財団法人 壽崎育英財団の奨学生の皆様へ
理事長   寿崎 肇
 

拝啓お元気でしょうか。体は1つですが無理をして下さい。なぜ。無理をしませんと学業も事業も成功しません。普通人間は夢、目標を目指して頑張りはじめるものです。私の場合やり方が下手だったこともあったのでようが、1つの成功の為に9つの失敗を重ねて達成と言って良い人生でした。しかし失敗は成功の源(もと)ですから何故、何故、何故が口癖でした。段々と成功を重ねていく中で相談にのって頂く方を10人位お願いしておりました。何事も基本と変化が大切で懸命ですが、その上に神か先祖が居て利己と利他の判断があったのかな、など考えたものでした。今本を読んでおりましたら昔教わった言葉がありました。「心だに誠の道なかないなば祈らずとも神や守らん」誠の道とはどのように実践すべきかが頭からはなれませんでした。

最初の方は大学最後の看護実習は看護管理として病院と看護部の運営についての勉強をなさった報告です。では、

○私は先月末大学最後の看護実習を行っていました。今回は今までの看護実践とは違い看護管理というものを学んできました。看護管理とは病院の看護師を組織的に取りまとめることで病院の主任や師長、看護部長を指します。このような役職は看護師でありながら管理者として病院と看護部の運営を担っています。私は今まで患者さんの直接ケアを行う、いわゆるスタッフナースという役割とそのケアについてしか知りませんでした。そのため今回の実習では初めて組織マネジメントという視点で病棟や病院で行われる看護を見てきました。主任と呼ばれる病棟のリーダーが病棟全体の患者さんと看護師を把握し、業務が安全でスムーズに行われるように指示を出し、手助けしていること。師長は担当する病棟だけでなく、他の病棟のことも考えて患者さんや看護師のバランスの良い配置をし、病棟と常に連絡を取って調整している。看護師ひとりひとりのことを思いやって勤務表を作成していること。看護部長は病院のトップマネージャーとして病院全体の組織作りを行い、日本や地域の未来を予測して広いスケールで病院の方向性を決め運営に係わっていることなど、これまでとは全く異なる視点で看護を学び、視野が広がっていくのを感じました。そして見え方は違っても行われていることは全て患者さんのより良い看護を提供するためであり、根本的な目的は同じであるとこが分かりました。

とおっしゃっておられます。
易しく感じましたが厳しい看護管理だなと思いました。人の上に立つ為に受けるセミナーなど人に対することが主ですが、報告されこの示されたことは会社で言えば社長としての責務のように受け止めました。私の勉強不足を痛感し、恥ずかしく思い素晴らしい勉強をさせて頂きましたことを感謝いたします。ありがとうございました。


次の方は異文化学習のためハワイに短期留学なさった報告。楽しく書き写させて頂きました。では、

○私は9月3日から17日までの2週間、異文化コミュニケーションという授業でハワイに行ってきました。午前中はカピオラニコミュニティ・カレッジで2コマ英語の授業が毎日ありました。英語の授業とは言っても日本のように椅子に座って先生の講義をずっと聞いているということはなかったです。毎日英語での発表だったり、大学の学生にインタビューしたり、そのために準備をグループごとで行っていました。最後の授業では1人1人パワーポイントを使ってプレゼンテーションを行いました。このファイナルプレゼンテーションでは、授業で準備を進めるのではなく、最初の授業で課題を出され皆放課後に合間を縫って準備してきました。このような機会が多くあることによって、この2週間のうちに人に話しかけ、発表するにも緊張することがなくなったと感じました。実際インタビューでは課題である3組に時間ギリギリまでかかってしまったのが、2回目インタビューした時は誰よりも多い6組にインタビューすることができました。この異文化コミュニケーションでは毎日研修日誌というものを英語で書くのですが、私は先生に英語が上手だと褒められ、とても嬉しかったと同時に自信がつきました。このお陰でわからないことがあったら積極的に英語で話かけ、話しかけられた時の返答も間違いを恐れず堂々とすることが出来るようになったと感じています。午後の授業では様々な施設へ見学に行きました。最高裁判所や、日本文化センター、パールハーバーなどのも行きました。特にパールハーバーは、ハワイの視点から戦争の話を聞いてみたかったので私が最も興味を持った場所でした。他にも施設見学だけでなく、学校でレイの作成や、フラダンス、ウクレレなど伝統文化にも挑戦することが出来ました。ウクレレはギターをしている友達が居るのでやってみたいと思っていました。思った以上にコードを押さえることは難しかったのに友達はスムーズに押さえていてすごいと実感しました。放課後は学校が終わりスクールバスでホテルに帰ったら自由時間となります。友達と毎日の計画を立て、ビーチやショッピングを楽しみました。土日になるとバスを使って少し遠出してシュノーケリングをしてイルカやカメに会うことができるツアーやダイヤモンドヘッドに登り日の出を見に行ったりしました。この2週間は今までで一番充実していて楽しい2週間でした。授業や施設見学、異文化体験、放課後の自由時間など日本では経験することのない体験をたくさんすることができました。この異文化コミュニケーションに高額な費用を払って参加させてくれた両親に感謝の気持ちを忘れず研修で学んだことを帰国してからもこれからの糧にしていきたいと思います。

とおっしゃっておられます。
何だか読みながら私も一緒にハワイ見学している感じでした。来年6月ロータリーの国際大会がハワイで行われ参加したいと思っております。この方の報告がほんとに有難いと思いました。ありがとうございました。


苦労をなさって、それが報いられた報告です。では、

○これから食欲の秋。スポーツの秋。そして芸術の秋と呼ばれるためか今月とても目まぐるしい月でありました。佐賀大学さんと崇城大学とのコラボ展「S−YOU−GA展」に参加するため夏休みでは作品づくりに明け暮れていました。今回は前回描いた作品とは打って変わって意味を重視した作品を制作しました。今までよく描いていた写真に近い作品とは全く異なった抽象性の高い空想世界を描いたような作品を制作しました。私にとって新たな自身のスタイルの開拓の一環として描いたので、とても苦しみながら、悩みながら描くことができました。自身の作品スタイルについて先生から最近よく言われるので、自身の作品スタイルを見つけるための良い作品になったと自分は評価していました。作品を展示した後佐賀大学生の方々や先生方に自身の作品についてとても誉めて頂きました。先生方にいたっては「佐賀大にはない面白い発想だ!ぜひその考えをウチに欲しい!」と有難いお言葉を頂くことができました。自身の作品スタイルについてこの夏とても悩みましたが、1つ前進することができたので、とても良い機会になりました。次回制作する作品を「白日会」という展覧会に出品する予定なので、また自身のスタイルを追求しながら制作したいと思います。

とおっしゃいます。
絵をお描きになる方々がお誉めになる作品です。素人の私などはその素晴らしさは分かりません。10年後には日本を代表する画家になって頂くようお祈り申し上げます。ありがとうございました。


次の方は2度目の学生生活は働く人々のメンタルヘルスを支える公認心理師を目指す方の報告です。では、

○心理相談室における実習や、学外で行われる学会・勉強会への参加など他の院生たちと「夏休みなんかないよね」と話ながらお互いに励まし合いながら学業にいそしむ日々が続いています。来年の卒業に向け、就職の内定をもらう者も出始め、様々な思いをそれぞれが抱えながらも、自分自身に課せられたことを黙々と行いながら過ごしています。私は産業領域で働く人々のメンタルヘルスを支える公認心理師を目指しており、就職に向けて活動を始めているところです。キャンパスという守られた区域から再び社会人として外の世界に戻るためのこころの準備が自分の中で無意識のうちに始まっているようにも感じています。3年前大学に編入したときは、若者が守られた空間で自由に学ぶことのできるアカデミアの素晴らしさに感動し、毎日の授業すべてが興味深く、日々得られることを精一杯吸収していたように思います。今ここでの生活に別れを告げて新たな世界へと踏み出すための準備を卒業までの半年をかけて、ゆっくりと、しかし、しっかりしていこうと思っています。時間を有効に活用しながら2度目の学生生活を振り返り今しか出来ないと思うことを、後悔のないようにしていけたらいいなと思っています。

とおっしゃっておられます。
3年前編入学し、今から6か月後にはこの大学を去る。人生の中で100年と言われる人生の中の3年。贅沢と思うか30年分だったと思うか。ありがとうございました。


次の方外国籍の子どもの学習の機会を奪う日本の教育制度の大学の講義について考えさせられたお話です。では、

○夏休みも終わり夏休みを通して様々な思い出ができました。友人と東京旅行、亡くなった祖母の墓参りなど夏休みという長期休暇だからこそ、できることをたくさんしました。中でも私が最も関心が高かった熊本県立大学で開かれた講義を受けたことが、とても印象に残りました。講義内容は「外国人の子どもの進路、進学につながる支援の在り方とは、不就学問題から「今」を考える」です。私たちは今教育を受けるのが当たり前だと認識していますが、つい最近まで日本は在日している外国籍の子どもの就学については義務教育対象外とし、そういった子どもたちの把握を全くしていませんでした。子どもたちからの学習の機会を奪ってはならないと動いたのが、今回の講義の講師であった小島さんという方でした。小島さんは当時住んでいた岐阜県可児市というところの家を一軒一軒訪れ、就学実態を調べました。小島さんのこうした活動のおかげで文部科学省は実態調査を開始し、ようやく具体的な調査結果が明るみになりました。小島さんは外国人生徒を対象とした学習支援教室を「国際教室」として岐阜県内のある一部の小、中学校に設置しました。日本語指導を中心に行い日本の小中学校に適応するための力を養います。この取り組みで、これまで日本語が理解できずクラスにとけ込めなくなり学校を中退する生徒の数が激減し、また日本での生活に悩みを抱える子どもたちの拠りどころとなりました。改めて小島さんの取り組みには心揺さぶられるものがありました。人として教育者として一体子どもたちに何ができるか常に考えておられた小島さんです。この講義に参加できて大変勉強になりましたし、良い経験になりました。

とおっしゃっておられます。
他の大学の方が講義を受講出来ることも面白い仕組みだと思うと共に外国籍の子どもには義務教育対象外となっていた若しこのまま続けば日本語の分らない青年何をするだろう、と考える空恐ろしい気持ちになります。私も勉強させて頂けたと共にこの奨学生の方に心から感謝申し上げます。ありがとうございました。


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