令和元年12月20日
公益財団法人 壽崎育英財団の奨学生の皆様へ
理事長   寿崎 肇
 

拝啓 お変わりございませんでしょうか。お伺い申し上げます。
師走とはどんな意味なのかなど、子供の頃は何でも大人の方に聞いたものでした。12月年末は誰も忙しい、ドッシリしておるお師匠様さえも走り回る月だ。と今でも私はそのように理解しております。学生さんの皆様は研究・論文と毎月が師走だろうと思います。自分の体は1つだけ。世の為、人の為に喜んでもらえるのは体がある、行動ができるからです。挑戦は大切です。体は1つです。体のことも考えて大いに頑張って成果をあげてください。

最初の方は、韓国での勉強の報告です。では、

○先月まで文化人類学の実習で韓国に行ってきました。実習では韓国の大学生が考える軍隊をテーマとして調査を行いました。調査方法としては、主に大学生へ直接インタビューをしました。実習の事前準備は日本でも行っていましたが、韓国でしか見ることのできない資料も多く実習期間より早く渡韓しました。文献調査をなるべく期間前にすませていたこともありメインのインタビュー調査はスムーズにいきました。しかし調査をすすめる中で新たに知識が不足している部分が目立ってきました。この機会を無駄にしないためにも、実習地である全北大学で友達になった4名の韓国人と一緒に施設巡りを実習後行いました。展示のされ方、表現方法、そこで見せる彼等の表情など、より詳しい「情報」を得ることができました。現在はこれらの「情報」を論文としてまとめている最中です。卒論と並行して執筆しており、毎日研究に明け暮れています。この韓国実習で私は3つのことを学びました。まず1つ目は学びに終わりはないということです。実習期間として設定された2週間とは別に韓国で調査をしましたが、日々上書きされる情報の中、期間を定めて研究するのは不可能だと実感しました。2つ目は語学力の重要さです。渡韓した際は会話がままなりませんでしたが、コミュニケーションをとるため必死に韓国語を勉強しました。今は日常会話程度なら話せるようになりました。しかしやはり日本語を話せる学生に頼ってしまう部分が多かったです。相手を理解する方法は言語以外にも様々ありますが、言語には、とって代えられない役割があることを認識しました。3つ目は現地に行く重要性です。私が渡韓した時期は、過去最も悪化している日韓関係と言われていました。周囲からも不安な声が上がるなかの渡韓でしたが、私が出会った人、皆とても親切でした。学生はもちろん、店員の方や施設の方、何も日本の「イメージ」と一致しないのです。韓国というだけで判断しがちですが、日本と同じように良い人もいれば、そうでない人もいるのです。ある人は「同じ韓国人が申し訳なかった。日本人のあなたにお返しをさせてくれ」とサービスしてくれました。ならば日本人の私が韓国人のためにできることはないかと考えた結果、このような事実を周囲に伝えることでした。そして、それを提供できるようにする自分の専攻する学問の意義だと思いました。以上3つのこと学んだ充実する実習となりました。先述したように、現在は実習の論文と卒論に加え留学に向けてアルバイトに励んでいます。朝から授業を受け、放課後8時間勤務をし、空いた時間などに執筆となると、心が折れそうになることも多々あります。しかし、自分が立てた目標を達成するために学べる環境に感謝し努力し続けたいと思います。

とおっしゃっておられます。
写させていただきながらこの方奨学生の方、将来何の事業をなさっても大成功の人生の方だと思いました。人生が100才の時代です。大法螺吹きと言われる大きい目標に向かって下さい。大成功いたします。体は1つしかありません。これも十分注意をなさってください。ありがとうございました。


次の方は認知症と味覚の検査高齢の私の為に味わいながら写させて頂きました。では、

○私の所属する研究室では高齢者に対して味覚検査を実施しております。味覚と認知症との関連を調べるものです。記憶力よりも先に味覚などが衰えてくるという研究があります。11月は検査を実施してきました。検査は実際にリトマス試験紙のような紙に甘い、しょっぱい、酸っぱい、苦いという味がついたものを舐めてもらい当ててもらうという検査です。各味は薄いのから4段階の濃度になっています。高齢者の中には味が分らなくなると美味しく感じなくなってしまい、楽しみが減ってしまう恐れがあると感じました。味を感じる神経や、舌にある味蕾(みらい)という味のセンサーの活動エネルギーは食事から補給されています。なかでも亜鉛が不足すると味覚障害を起こすことが知られています。亜鉛は、牡蠣・海藻類・キノコ類に含まれています。体に良い食事をよく噛み、味わって1日3回きちんと食べることが大切で味わうことそのものが味覚トレーニングにもなるそうです。ご参考になれば幸いです。

とおっしゃっておられます。
高齢者である私の為にいろいろ教えて頂きました。ありがとうございました。


次の方の近況報告は卒業論文の試行錯誤から悟りのお話です。では、

○近頃は卒業論文の提出期限も着々と迫っており、焦りと困難を覚えながら日々取り組んでおります。焦りは3つのことから感じております。1つ目は思うように論文作成を進めることが出来ていなかったからです。私は半年前から論文を文章として書き始めました。しかし私自身の継続を怠る習慣的な弱さと「一度に完全な文章を書かなければならない」という勘違いにより、以前に計画した予定より大幅に遅れております。2つ目に私自身の「新たな疑問の発生です」先行研究やまとめる作業や論文を書く作業に取り組む度に「新たな学び」があります。ただその過程で新たに自身の知識のなさや疑問が発生します。例えば先行研究や調査から複数の結果を得ることがあります。そして結果を分析することや、文字に起こそうとする時「なぜそれらが起こったのか」「複数の結果の関連性はなにか」「先行研究を自分の題材にどのように適応するのか」と考えてしまうのです。このように2つのことから焦りを感じております。その一方で卒業論文の進捗状況を確認することで、成長の機会が与えられております。それは自分の弱さを確認と改善です。私は卒業論文作成を通して上記のように継続力という点で弱さを覚えました。そこで現在2つの取り組みにより継続力を身に着けようと励んでおります。1つは作成過程の節々で私を指導して下さっている教授に進歩状況や作成過程の論文を報告することです。これは「期日まで時間がある」という意識をなくす目的を持って実践しております。私はこの実践をすることで、自身に新たな目標を設定し取り組むことを継続して行うことができるようになりました。2つ目の日毎に達成すべき課題として「1日に1つのカテゴリーについて最低500文字の文章を書く」「最低1つの論文もしくは調査をまとめる」を設定して取り組むことです。この取り組みは教授より「何回も論文を作成した教授は一度に完全な論文を書くことは難しいです。学生なら論文作成が難しく、一度に書けないことが同然です。何度も書いては推敲することが重要です」との言葉を頂き、はじめました。日々の取り組みは小さく見え、弱さを覚えておりますが、実践を積み重ねることで大きな進歩になることを感じております。また自身の成長が与えられていることを感謝しております。以降も努力を怠ることなく更なる成長を遂げるべく鍛練してまいります。

とおっしゃっておられます。
失敗は成功のもとを教えて下さいました。素晴らしい論文が出来るのを楽しみに読ませて頂けたらと思います。何事も積み重ねが成功の基本です。ありがとうございました。


次の方出会った方こそ教師。お話を伺うことで自分のプラスになることばかり、とお考えの方です。では、

○いつもこのお手紙を書く時に、この1ヶ月私は何ができていて、何を考えていたかをふりかえります。いつもアッという間の1ヶ月で、教員採用試験の合否がでてから、気持ちも落ち着き、いろいろなことを考えることができました。(2月に看護師国家試験が控えておりますが・・・)。1つ取り上げると、私は今年に入り、人生の中でも教えられる程の尊敬する方との出会いがありました。その方は教養を豊かに備え、だからといって見せびらかすことなく、必要な時に必要な知識を使いこなせる方でした。また穏やかで人を愛し、行動や言葉にして伝え、だからといってなよなよしているわけでなく、自分の軸をもっておられる方でした。強く、優しく、あたたかく思いやりのある方でした。ここまで書きながら私の語彙力のなさが分かりますが言葉ではとうてい説明できないような人柄の方でした。出逢った時には分かりませんでしたが少しずつ分かってきたことです。出逢いは偶然といいますが私は必要な時に必要な人と、出逢うべき時に出逢っていると思っております。その方との出逢いによって私はさまざまなことを学ぶことができました。大きな影響を受けました。きっと人間が誰かと出逢うときには何かの意味があると思います。だからこそ1つひとつの何ともないと思える出逢いでも大切に丁寧に過ごせたらいいなと思いました。1人で生きて1人で死んでいく人間ですが「私」を形つくるのは関わる人。環境が大きく関わるのだな・・・と原点回帰できた今日こそ。

とおっしゃっておられます。
最初にお話のあった方こそ結婚相手の人間性かなと思いました。最後の人間誕生する時1人、死ぬ時も1人。長い人生は関わる方のお陰と。感激いたしました。ありがとうございました。



トップページ
寿崎育英財団とは
理事長挨拶
募集要項
お問い合わせ
寿崎育英財団各県案内
私を語る
 商業界

 寿屋OB会

 ロータリー

 理事長からの
 メッセージ


寿崎育英財団
住所 熊本市中央区水前寺6?1?38
TEL/FAX 096-340-8520

Copyright(C)2010 寿崎育英財団 All rights reserved.