令和2年9月30日
公益財団法人 壽崎育英財団の奨学生の皆様へ
理事長   寿崎 肇
 

拝啓 秋らしくなって参りました。でも日中は暑さが続きます。お変わりございませんでしょうか。今年は夏休みの期間が短い感じのする近況報告です。しかし新しい授業とか就職活動に対応なさっておられる報告を読ませて頂きながら新しい時代を迎え、一番対応の早いのが学生さんだと思います。事業をなさっておられる事業主、経営者の方と私はよく話合いをいたします。迷っておられる方、悩んでおられる方、奨学生の皆様に学ぶと良いなと思うコロナの対応です。

最初の方の報告は人と会うことが拒まれているコロナの時代、それぞれの答えのない問題に直面について。では、

○このご時世なので夏休みはどこにも遠出することができていないのですが、一番思い出として残っていることを書かせて頂きます。8月の後半、3日間で教員免許講習会が行われました。小学校から高校までの先生方が10年に1度教員免許を更新するために本大学に講習を受けに来られるのですが、そのお手伝いをさせて頂きました。私のゼミナールの先生は会計学の先生ですが、対話を主としたアクティブラーニングも専門としています。そこで今年度は「コロナ時代を生きていく力をつける探究と実践にあふれる学びを始めるためには?」というコールクエスチョンで参加された先生方と参加をしたゼミ生で対話をおこないました。いま人と会うこと自体が拒まれ、その機会を減らされている中で、リスクを超える価値がある学びの場にしないと、学校で対面授業を行う意味が見いだせなくなるという話からスタートしました。普通にこれまで通り、一方的に教えるだけであればオンライン環境でもいいわけで・・・これからの教育場面において、対面だからこそ得ることのできる学びが大切になります。それぞれの答えのない問題に直面しながら参加された先生方と様々な手法で対話を行いました。変化を求められている時、知恵を出し合って新しい方法で物事を模索してみないといけない中で、今まで通りの解決策で続けていても上手くいくとは限りません。コロナ化において今までに経験したこともない、経済面でも他の場面でも打撃を受けている今、この時代だからこそ考えやすいことや新しく取り入れやすいことがあると感じます。8月宮崎ではクラスターが発生し、コロナ感染者が急増しました。その中で講習会が予定通りに行われるのか、それとも中止になるのかという状態で準備を重ねてきました。例年通りに定期的には集まることができず、役割ごとに日にちを分けて準備をしたり練習をしたりとこの3日間を迎えました。丁寧に何度でも説明をしてくださるゼミの先生。一緒に準備を重ねた同級生と後輩たち、一緒に学習・実践することのできる仲間がいることに感謝でいっぱいです。とても学びのある貴重な時間になりました。

とおっしゃっておられます。
変化を求められている時、このコロナ時代でうまくいくとは限らない。失敗は成功のもと、の諺のように新しいやり方がもうすぐそこに来ているのではないかと思いました。


次の方看護師を目指しての大学入学。取れるものなら、と養護教諭に。人生何が起きるかわからない、と。では、

○すっかりマスクが定着した社会となりました。世の中ではマスク美人、マスクイケメンという言葉が出回っています。顔の下半分の重要性が伺える言葉ですね。まだ残暑がありますが、お元気でお過ごしでしょうか。現在大学4年生で、先日就職の内定を頂きました。看護師を目指して大学に入学しましたが、迷った末の養護教諭として働くことになりました。「取れるものなら頑張ってやってみよう」の精神で選択的に4年間看護課程を履修しておりました。まさかこのタイミングで生きることになろうとは、人生何が起こるか分からないものですね。コロナウィルスで内定が厳しいとされていますが、このようの社会状勢の中でも無事に内定を頂けたことに感謝しております。就職活動をするうえで、自分で向き合うことが多いと感じています。今まで進学するたびに自分がどうしたいのか、について考えてきました。しかし今回は今までにないほど悩み苦しみました。そんなときに大学の先生からこのようなアドバイスを頂きました。「結婚と就職は何が一番いいかなんて分らない」というものです。その言葉に支えられて、自分がベターだと方向に舵を切りました。そのように自分で決意を固めて就職活動し、有難いことに自分の願った場所で内定を頂きました。しかし今でも、これでよかったのかと思う自分がいます。違う立場の人から言えば「そんなものは贅沢な悩みだ」と思うかもしれません。自分が希望する道に進めることが決まったので、この先に進むにあたってせめてもう少し自分と向き合う必要があるようです。もう少し迷って悩んで考えてみたいと思います。

とおっしゃっておられます。
最後に迷い悩み考えて。とおっしゃっておられます。将来を深く考えるお言葉でしょう。ありがとうございました。


次の方のお言葉の中で1つの仕事から次に移るのに時間の無駄をなくす為に「5秒ルール」素晴らしい。では、

○9月に入り夏休みが始まりました。大学の前期を振り返ってみるとコロナの影響で週6日授業になったことが一番大変でした。しかし、この大変な授業に出席し、全ての単位を取れたことは自信になりました。特に難しかったテストで90点を取れたことが自信になりました。勉強時間がなかなか確保できない中で、スキマ時間を使って上手く勉強できたことがこの結果に繋がったと思います。今は夏休みに入り色々なことにチャレンジしています。1つ目は英語の勉強です。私は大学院に進みたいと考えているのでTOEICを受ける必要があります。大学に入ってからはほとんど英語を勉強してこなかったので、中学の基礎から復習しています。毎日英単語を100個音読することから1日がスタートします。音読が終わったら、文法の練習を中心にした参考書でしたいます。私は勉強自体が苦手なので勉強が習慣化できるように工夫をしています。それは勉強時間を可視化することと「5秒ルール」というルールにもとづいて勉強することです。勉強時間を可視化するためにタイマーで時間を計り10分ごとにカラフルなペンで線を引いています。これにより勉強時間も記録でき、カラフルなペンでルーズリーフに線を引くのが楽しみになり、勉強時間を増やすことができました。次に「5秒ルール」というのは勉強しようと頭で考えてから5秒以内に勉強をし始めるルールです。これにより勉強をしない言い訳を考える前に強制的に勉強を始められます。2つ目は体力作りです。コロナもありあまり外に出さない生活が長かったので、体が重くなってしまいました。そこで筋力トレーニングとストレッチを頑張っています。少しずつ体が変わっていくのが楽しくて続けられそうです。

とおっしゃっておられます。
「5秒ルール」は私にとって大変貴重なアドバイスです。ありがとうございました。


次の方は8月中にやりたいことを沢山報告して下さいました。人生想いは叶う、の報告です。では、

○私は8月、9月でとっても充実して生活を送る事ができています。8月は「コロナ下の中でできる夏らしい事を友人としたい」という事と「自動車学校に行くためのお金をバイトして貯めたい」「英検準1級獲得に向けて英検の勉強がしたい」「自分の趣味である映画鑑賞を家でゆっくり楽しみたい」という夏休みに出来ることを沢山することが出来ました。私の地元には「青島」という宮崎県民なら誰しもが聞いた事があり知っている観光名所があります。青島にはビーチがあって夏は海水浴を楽しむ事ができます。まず友人と夏らしい事がしたい、という願いを叶えるべく私は3月ぶりに会う高校時代の親友と青島のビーチで遊びました。その後長期休暇だからこそ、いつもよりバイトにシフトを入れる事ができたので、自動車学校のためのお金を貯金するためにバイトも頑張る事が出来ました。そして友人と遊んだり、バイト以外で浮いた時間は英検準1級の勉強もしています。自動車学校とも並行してなので結構大変ですが、充実していて「無駄な時間」は作らずに夏休みを過ごす事ができているのが自分でもとても良い経験になっていると思います。夏休みの2ヶ月の間で友人だけでなく、中高生時代はあまり話さなかった父と2人で出掛ける機会もあったり、母と一緒に夕食を作ったり両親と話す機会も増やす事ができ、2ヶ月の夏休みを謳歌する事が出来ています。

とおっしゃっておられます。
最後は親孝行が出来てよろしゅうございました。大学に入学して1年生の方です。夏休みの2ヶ月間無駄な時間は作らなかったとのお話。2ヶ月の夏休みを謳歌した喜びの報告でした。ありがとうございました。


次の方、栄養教諭を目指す方。コロナの影響で実習が出来ておらず、11月教育実習の校長先生にお願いして実習を。では、

○白露の候いかがお過ごしでしょうか。私は今とても忙しい充実した毎日を送っています。10月4日、この日は私がジャンプする日です。これは教員採用試験の二次試験の日なのです。この言葉は先日ある小中学校の校長先生から頂いた言葉です。私は栄養教諭を目指しているのですが、コロナの影響で教育実習を終えておらず、一度も授業をしたことがありません。それに加え私は知識が豊富でないため二次試験を迎えることが不安でしかたありませんでした。そこで私はダメもとで11月に教育実習でお世話になる予定の学校へ連絡をとり校長先生に話を聞かせてほしいと頼みました。校長先生は快く私に時間を割いてくれ、しまいには授業を見においで、と実際の授業の様子を見学させてくださいました。それからというもの週に2回ある模擬試験授練習と面接練習に呼んでくださるようになりました。そして先週私は校長先生や副校長先生の前で模擬授業をさせて頂き、それは、それは、緊張しました。終わった後先生方から飛び交う様々な指摘に私は悔しさを堪えきれず涙を流してしまいました。その次の日送られてきたのが、最初にお話した「あなたのジャンプは試験の日」という内容のメールでした。人の成長は失敗した分だけ大きくなる。大きくジャンプするには一度体勢を落とさなければならない。“あなたのジャンプは試験の日大切にしていこうと思います。そして絶対今年合格してみせようと思います。私は最近周りの人の温かさを凄く感じます。つい先日訪ねてきたばかりの大学生に話しました。時間を割いてまでご指導くださる先生方には感謝してもしきれません。と。私が合格することこそが一番の恩返しだと思うので、私は絶対今年栄養教諭になります。来月お手紙書く時には試験が終わっています。全力尽くせた!!と言えるよう私は今を大切に10月4日の日に今までで一番大きなジャンプしてこようと思います。

とおっしゃっておられます。
人間の成長は失敗した分だけ大きくなるジャンプの前に一度態勢を落とす。校長先生のアドバイス。経験を積んで来た方のお話。事業経営の教訓です。ありがとうございました。


次の方は医療人としてコロナウィルスの猛威で旅行などが出来なかった反面、プラスになった体験の報告です。では、

○現在試験も終了し、単位を全て順調に修得致しました。そこで国家試験対策の勉強や読書また社会経験の一環としてアルバイトをするなどして休暇を過ごしています。通常では夏季休暇は遠出が可能であり、日常では体験できない経験を得られる貴重な長期休暇ですが、引き続き新型コロナウィルスが猛威を振っている現在、それは叶わず大変残念に思います。その代わりとして今ある時間を有効に活用すべく普段見る時間のない医療ドラマをこの機会に視聴しました。それにより実際の現場のイメージを高めることができました。フィクションではありますが、医療人としての姿勢や現場の問題など考えさせられるものが多く、勉強のモチベーションの向上にもつながり良い学習になりました。知識を詰め込むだけの机上学習にならないよう得た知識も実際どのように活用していくのか、今後も実践できる学びを追求し、研鑽を積みたく存じます。

とおっしゃっておられます。
医療人としてのお考えの緻密さ勉強させていただきました。医師として患者さんの喜ぶ方でしょう。ありがとうございました。


次の方、コロナウィルスで普段の生活の有難さ。台風10号での避難。アルバイトのお話、丁寧な報告です。では、

○台風10号による被害がなかったことを祈るばかりです。コロナウィルスや自然災害等による日常の変化から、いかに普段の生活が恵まれていてかけがえのないものだったのかを痛感する日々です。さて今月の近況報告をします。まず台風10号が接近するということで、一人暮らしの私は不安になり初め避難しておりました。私の通う大学の体育館が避難所になっており同じく一人暮らしをしている友人も避難し一晩を過ごしました。体育館の半分以上を埋め尽くす人々がいました。赤ちゃんのいる家族やお年寄り等、様々な年代の方々がいました。非常食や寝具など準備が整っている方々を見て学ぶこともあり、日頃の備えの必要性を感じました。翌朝には帰宅でき大きな被害はなく無事であることを安心しました。次に卒業論文の作成や教育実習を控えている為、一年間と半年続けていたアルバイトを辞めました。もともとお菓子の販売のアルバイトをしており、掛け持ちで百貨店のアパレルのアルバイトも始めました。今回はアパレルのアルバイトを辞めました。私自身大学生になったら様々な経験をしたいと思っていましたが、アパレルのアルバイトをするとは思っていませんでした。私は教員になる夢を持っているので、社会人になったら就く機会がないと思いアパレルのアルバイトを始めました。取扱商品が高額なため丁寧に扱いました。電話対応やお客様とのコミュニケーションの中できちんとした言葉遣いや礼儀を教わりました。周りの人々が全て年上の方々ばかりなので、緊張しつつ尊敬の姿勢で一緒にお仕事をさせて頂きました。学生の私を一スタッフとして指導してくださり、良い職場でアルバイトできたと思っております。卒業まで働きたかったのですが、学業に専念することが今の私の最優先であると判断し、退職しました。ここでのアルバイトで心に残る言葉をいただいたので紹介します。「人生は必要なことしか起こらない」です。失敗も嬉しいこともたくさんありました。今ではそのどれもが今の私を作ってくれたのだ、と。この言葉から気づかせてもらいました。私の退職を涙ながらに快く了承して下さった店長や全スタッフの皆様に少しでも成長した私で再び会えるよう私は目の前の学業に全力で臨みます。来月は小学校の教育実習があるので、しっかりと順調に運ぶように準備します。

とおっしゃっておられます。
難しいアパレルの販売担当。トップから涙ながら退職を了承させるアルバイト。お客様からもスタッフからも喜ばれる店員さん。辞めてもらいたくない学生さん。小学校の先生として子ども達に大好評の先生でありますようお祈りするばかりです。ありがとうございました。


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