令和2年11月17日
公益財団法人 壽崎育英財団の奨学生の皆様へ
理事長   寿崎 肇
 

拝啓 お元気でお変りございませんでしょうか。お伺い申し上げます。
コロナウィルスでいろいろとご苦労かけております。しかし新しく迎える年は令和維新の年になるのではないでしょうか。米国での証券取引の株価も日本での東京証券取引所の株価も異常に値上がりしてえります。私の会社も昔は上場しておりましたので、株価が先を見通して上がったり下がったりしておりました。もしかしたら来年は素晴らしい年になるのではないか。と誠に勝手なことを申し上げました。令和3年が奨学生の皆様にとりまして夢と希望と歓びに満ちた年になりますよう祈るばかりです。では皆様の近況報告に移ります。

最初の方は成人看護学の実習で学んだこと患者さんが何を望んでいるのか思考力、技術力向上を学ぶ。と、では

○私は先日まで成人看護学実習を行っていましたので、そこでの学びについてご報告したいと思います。この実習では患者さんの情報から疾患や患者さんを理解し、実際に看護を行って評価するものでした。私は患者さんが日々変化していく中で、その変化を常に把握しておかないと、患者さんに今必要なことは何なのか、何を優先的に行う必要があるのかを把握することは難しいと感じました。このことから看護を展開していく中で、患者さんのことをきちんと把握しておく必要性を学びました。また実習の中で患者さんと関りで自分がどんな看護をしたいかより、患者さんが何を望んでいるかを考えながら行うことが大切であると気付くことができました。コミュニケーションを通じて患者さんの心理面を知っていくことはこのような看護を行う上では大切であると分かり患者さんとの関りを大切にしていきたいと感じることができました。患者さんの望む看護を提供することができるためにも、自身の看護における思考力や技術力の向上に励みたいと思います。

とおっしゃっておられます。
何の事業や商売も相手の喜ぶことをやり続けることだけが成功の秘訣です。成功のコツ、相手の立場から患者さんの望むことを悟られたことで成功する秘訣について一生ご自身のプラスです。ありがとうございました。


次の方。パチンコという本を読んでいるうちに何度も涙したお話には驚きましたが、人生のプラスに私も感動です。では、

○読書と食欲の秋になりました。私は読書のしやすい秋が大好きです。先週末大学の図書館に注文していた本がやっと届きました。韓国系アメリカ人の作家が書いた「パチンコ」という本です。アメリカでは随分と話題になっていたようで、日本では今年の7月に翻訳が出ました。この本は在日コリアンを4世代にわたって書いたフィクションです。戦前、戦後の苦しい時代の中で日本では「ガイジン」扱い、国に帰ったら日本人扱いをされ、行き場のない彼らが大阪で懸命に生きていく物語を読んでいる途中に何度も涙がでました。作家の描写は、私の目の前に大阪の駅でキムチを売る家族を見せ、とてもすんなり感情移入をさせられ映画を観ているくらい見える本は初めてでした。移民の1世、2世、3世はそれぞれ韓国と日本に対して異なった思いがあり、どれだけ必死に生きても「在日」という事実が彼らを苦しめる。とても考えさせられました。20世紀初頭は世界各地で移民の移動がありました。私はなぜかいつも「移民」「民族」「アイデンティティ」という言葉にとても惹かれます。彼らのアイデンティティについて、もっと深く知りたいと改めて考えました。今は博士課程にいますが、来年はぜひ博士課程に進み、この分野についてもっと深く知りたいです。修士論文で執筆に詰まっていましたが、読書の寄り道はとても有意義なものだと改めて感じた週末でした。

とおっしゃっておられます。
お読みになって何度も涙ぐむ、私も読みたいなと思います。お読みの本について内容は見えませんが、1940年頃の韓国人は私の近くに住んでいて古物商などの商売で大変豊かな生活をしていました。当時朝鮮人を惨めに見ることはなかったが。ありがとうございました。


次の方はシンポジュウム発表後の質問に対して質問がありますことを想定し答えを30個準備の方。では、

○今月の近況報告は太陽光発電のシンポジウムで口頭発表を行いました。本番まで念入りに準備をしていたこともあって緊張せずに臨むことができました。特に質疑応答に関しては事前質問を30個想定して答えを用意していたため、淀みなく返答することができました。学会の準備を通してスライドを見やすくする技術や予定の組み方など様々なことを身につけることができました。また今回の発表を成功させられたことは自分の能力に対する大きな自信に繋がったと思っています。これからも失敗と成功を繰り返して成長していきたいと考えています。学会後は修士論文に向けての研究を進めています。今週はかなり大きな進展がありました。学部時代とは違う方法で装置の出力予測を行っていたのですが。誤差を大きく減らすことに成功しました。この成果をゼミで報告しましたが、先生によばれ、まだまだ精度を上げることは可能だということでした。立てた式が適切でない可能性がありますが、方向性は間違っていないので、今後もいろいろな式を試していく予定です。

とおっしゃっておられます。
質問の準備を30個に驚き、成功と失敗を繰り返し成長していくお気持ちに感動いたしました。ありがとうございました。


次の方です。分からないことは「何で」「どうしてそうなるの」が向上心には極めて大切です。では、

○コロナウィルスからインフルエンザにも注意しなければならない季節となってきました。さっそくですが今月の近況報告をさせて頂きます。今月は怒涛の試験ラッシュが無事に終わり、ある意味で少し落ち着いたひと月となりました。試験を一つも落とすことがなかったのは一緒に勉強に励んだ友人たちのおかげともいえます。一人であったら勉強しなければならない量の多さに心が挫けていたかもしれません。大学に入ってより一層(看護という大学に入ったこともありますが)人との関りあいや、協力することの大切さを感じています。またこの看護大学にきて、この大学にいる人達に対して感じることがあります。それは努力を怠らないということです。看護師を目指す中で向上心というものは必要不可欠であると私自身も考えています。分からないことに対して、そのままにしておくのではなく、分かるまで「何で」「どうしてそうなるのか」という疑問のもと、探究し続ける姿は私も見習っていかなければいけないところばかりです。先輩方と交流する機会も徐々に増えてきましたが、先輩方に対してはもっと、より一層見習っていかなければと実感します。最近は新しい講義が後期に入ったので多く始まり、特に疾病に関する講義も始まりだしました。日々の予習と復習の大切さを感じます。週に2回ある講義などは予習が追い付かず授業内容が頭に整理されておらず、ついていくのに必死になってしまうこともあります。ただ嬉しいことも今月ありました。感染予防対策をしっかりと行った中ではありますが、運動不足はひしひしと感じていました。バレーのように、人と人とがあまり近づかない競技を中心にチームを組んで行うスポーツは久しぶりだったこともありとても楽しく感じました。体を動かすということはことはやはり健康(身体的な面だけでなく精神面でも)において重要であると実感しました。スポーツの秋ともいわれるくらいですし、運動するにはぴったりな気温等でありますがマスクをしているので、水分補給等にはしっかり気をつけていこうと思います。今月の反省である勉強時間については増やしながらも今一度勉強の質についても注意、反省しながら頑張ろうと思います。勉強に専念しております。

と、スポーツの有難さは同感です。先輩の素晴らしさ大いに学んでください。ありがとうございました。


次の方はお互いも勿論ですが、お客様とのお話でも瞬間褒めますと取引はスムーズに行われたお話。では、

○私は人見知りをしてしまい、初対面の人に心を開くまで時間がかかってしまいます。先日、内定先の内定者交流会がオンラインで開催され、先輩社員や同期の内定者などと交流をするという機会がありました。理想としては自分から話題を作り和気藹々と話したいと考えておりました。しかし現実は話を作ることはできるものの、話を膨らませることができなく儀礼的に話すという時間が続き自分を含めた参加者が誰も楽しそうにしていませんでした。来年から社会人となり今よりも多くの方々と話していくのにこの程度のコミュニケーション力や雑談力でやっていけるのかという危機感を抱くようになりました。そこで私は「雑談の一流、二流、三流(桐生稔)」という本を購入し即座に読みはじめました。すると自分がこれまで行ってきた雑談はほとんどが三流であったのです。自分が話すネタを考え、あとはその場の空気でなんとかなると考えていましたが、これは本では三流であるとされています。では一流は何をするのか。それは「表情を作り、相手を褒める」ということです。表情はその時の話に合わせて表情を作って、言葉だけでなく、表情でも相手に共感していることを伝えることで、相手は自分に心を開いてくれるそうです。相手を褒めることは「それはすごいね」ではなく「昔に比べてこれだけ成長できたのはあなたの頑張りがあったからだと思う」と相手の過去と今を比較して、具体的に褒めることで相手は喜ぶのだそうです。改めてこの本を読んで、理解しているつもりでしたが、自分の力不足を痛感しました。どうしても語学などのスキル不足の方に目が行きがちですが、こういった対人スキルを身につけることで、どんなスキルよりも強い「人脈」が形成されていきのではないかと考えます。卒業研究や授業などで自分のために使う時間がなかなか取ることが難しいですが、社会人となってから後悔しないようにインプットアウトプットのサイクルでこれからも学んでいきたいと思います。

とおっしゃっておられます。
普通の褒め方でお世辞にならないように心を込めて褒める工夫で人間関係がよくなる。私もこの雑談一流、二流、三流の本を買って勉強したいと思いました。ありがとうございました。


次の方です。実習担当の先生のご注意は繰り返しを大切に1度聞いた話聞く度に理解が大切に「はっと」した報告です。では、

○はじめに学校生活についてご報告させて頂きます。後期に入り、始まった実習も既にひとつ終わってしまいました。薬理学実習での学んだことについてお話させて頂きます。実習担当の先生が何度も「繰り返しが最も大切で一度聞いた話でも聞くたびに理解しようとすることでさらに深まっていくのだよ」とおっしゃっていました。その言葉に少し「はっと」させられました。なぜなら今までの私は「一回習ったことだし、なんとなく理解できているはず。」と軽く考えている気がした為です。今回の実習では復習としてもう一度先生方が講義をして下さいました。先生の言葉を聞いてから「じっくり聞いて理解を深める」と心に決め、実習・授業に臨もうと、自分自身の分かっていなかった箇所がはっきりとわかるようになりました。そのおかげでどこを重点的に勉強し直せばよいのかを把握できました。私自身の意気込み次第で理解度もぐっと上がることを体感できた貴重な瞬間でした。何度も復習し、記憶に残したいです。次に私生活について報告させていただきます。休日を健康的に過ごそうと、最近運動をはじめました。ストレッチやウォーキングなどの軽い運動をすることで体力低下を防止し。健康的になれると良いなと感じています。3年生後期となり私の大学生活も折り返し地点となりました。この時期に改めて何をどのようにやっていくべきかを考え直しています。今自分の為に使える時間を大切にし、過ごしたいなと思います。

とおっしゃっておられます。
一度聞いたお話を聞く度に理解することを教えて頂ける。先生も立派だし、そのまま実行。すばらしいことです。ありがとうございました。


次の方の報告は介護の研修で重度の脳性麻痺の男子小・中・高校生になった報告です。考えられない事が。では、

○今回は介護の研修の中で見たDVDに登場した脳性麻痺の男の子について、私が考えさせられたことを報告いたします。このDVDの主人公は重度の脳性麻痺で話すことができず、呼吸器を付けているため、微動だにしない。そのままでは聞こえているのか、何を考えているのか、そもそも考えることができているのかわかりません。ですがご両親をはじめ周囲のみんなが彼のことを理解しようと努めています。彼の脳はきちんと働いて考えることができます。言葉を理解し文字盤を見て、瞬きで文字を選び会話ができるようになりました。さらに彼は地域のみんなと小学校、中学校に通い同じ教室で授業を受け、高校受験は手が動かず記述はできないから、記号の問題だけを解いて受験し、高校生になりました。本当にすごいと思います。脳内だけで考え計算し問題を解くことのできる彼の能力も、それを得るまでの努力も、彼の未来を決して諦めなかったことが本当にすごいと思うのです。重度障害者の介護の中で呼吸器を付けていて声がほぼ聞こえない利用者さんや、発声に障害があり独特の音で聞き取りにくい利用者さんもいます。話をしていて聞き取れないことがあった時に誤魔化すこともできますが、分からなかった時は聞き返したり、パソコンでタイプしてもらったりして理解することがとても大切だと思っています。私達は対面授業が本格的に始まるのが来年の1月です。それまでは介護と勉強を両立させて頑張っていきたいです。

とおっしゃっておられます。
脳性麻痺の男の子のご両親にどんな教育なさった。親の愛情が高校入学させ、人ごととは思えません。若し私の子どもだったら、これ程のことができただろうかと、目頭が熱くなる気持ちで写させて頂きました。ありがとうございました。


次の方の実習の報告です。不登校の生徒の教育など授業での勉強より身につまされる感じです。では、

○今月より後期の授業が始まり、いよいよ大学院生活最後の学期が始まりました。約2か月間の夏期休業が明け、一気に忙しくなった気がします。そしていよいよ大学院生活の集大成ともいえる事例研究論文の執筆も本格的に始まります。学内で行っているカウンセリング実習のうちの1ケースを取り上げて執筆していくのですが、コロナの影響で私が担当していたケースがなかなか続かず何も進められない状況にあります。最近新しく担当になったケースについて大学教授から何度かアドバイスを受けましたが、かなりきつく指導され、へこんでおります。心理士を目指していたけど、あまり向いていないのかな、と少し落ち込んでいますが。ここまで来たからには頑張っていきたいと思います。9月末より学外で実習も始まりました。適応指導教室という、不登校の児童、生徒が通う別室登校のような形式をとっている市の教育機関です。職員の方々が皆さん本当にいい方で、その方自身だったらこうする、といった視点からお話して頂くことが多いため、本当にためになります。心理士の専門性を発揮しつつ他の職種の方々とも情報共有し、連携しながら、子ども達の支援にあたっているのが目に見えてわかり勉強になります。学内で授業を受けたり、演習をしたりといったことももちろん学びにはなりますが、やはり実際の現場を目で見て自分で考え吸収するということが一番自分の身になると私自身は実感しています。もう少し実習が続くため、まだまだ多くのことを吸収し、自分のものにしていきたいと思います。

とおっしゃっておられます。
実習で体験することの素晴らしさを報告して頂きました。授業で学んだことを、現場で見て、自分で考えて吸収し、自分のものにしていく、私も勉強になりました。ありがとうございました。


次の方は小学校6年生の頃から先生になりたい希望をもっていました。高校も大学も勉強のためと。では、

○今月は教育実習があり、お手紙が遅くなってしまいました。それでは10月の近況報告をします。前述のとおり今月は教育実習がありました。私は小学校教諭の免許取得のため、通信大学にも通っております。今回は母校で2週間の実習をさせて頂きました。所属学級は6年生を使い中学1年生レベルの内容をしています。ただ中学生と違うところは文法として学ばないといけないということです。繰り返し聞いて絵や映像を通して一つの表現として理解する流れです。私の専門は中学校の英語なので文法を学ばずに英語の過去形や疑問形を理解する授業はどうすればいいのか、とても悩み苦しみました。英語表現慣れ親しむためのゲームを考えたり、担当の指導教官に模擬授業をしてアドバイスを頂いたり、毎日児童にとって分かりやすく楽しい授業を考えていました。授業では、私の手書きカードを紙カードとして使ったり写真を大型テレビに映してプレゼンしたり自分なりに工夫できることをしました。反省点は多くありますが、児童が一生懸命私の授業を受けてくれたこと。小学校の先生方にたくさん助けて頂いたことにとても感謝した2週間でした。10月はもう1つ大切なことがありました。それは教員採用試験の合格発表です。私は出身である鹿児島県の中学校英語を受験しました。おかげさまで合格することができました。来年度より中学校の先生になります。先生になることは小学6年生からの目標で、苦手な勉強も高校に行くため、大学に行くために取り組んできました。まだ合格したという実感がありません。私のように、もともと勉強ができるわけでもなく、得意なことがあるわけでもない人間が本当に先生になれるのか不安です。教育実習中も児童との関わり方に悩んだり、授業がうまくいかずに泣いたり、先生に向いていないのではないか、と自信を失くしました。その時教頭先生から「この実習を通して、あなたがどれだけひたむきなのかが分かりました。そのひたむきさは教師に向いています。きっと良い教師になれます」という言葉を頂きました。この言葉に私は救われ、先生になりたくて仕方なかった頃の気持ちを思い出しました。これから悩むことがあっても、私は大丈夫だと思いました。卒業までの学生生活、自分に足りないものを勉強し自分を磨いていきます。

とおっしゃっておられます。
写させて頂きながら、この方は何の仕事をなさっても成功する方です。この報告では中学の先生になる目標を小学校6年生から大学を卒業して先生に。と寝ても覚めても思い続ける。小学校6年生に英語修習の基本を飛び越して教える実習に子どもから喜ばれる。この奨学生の方、基本は相手から喜ばれる仕事をするのがこの方の人生の目標と思われます。写させて頂きながら、この方は必ず校長先生になる方だなと思いました。人生100年停年の時代です。100歳まで人様に喜ばれることをやり続ける。俗に言う「利他」の行です。有難い近況報告を頂き、財団の理事長として心より御礼申し上げます。ありがとうございました。


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