令和2年12月8日
公益財団法人 壽崎育英財団の奨学生の皆様へ
理事長   寿崎 肇
 

拝啓 寒暖の差が割と激しい季節になって参りました。お元気でしょうか。お変りございませんでしょうか。コロナのためにチャンスとおっしゃる方。困ったとおっしゃる方。皆様から頂く近況報告の中で、今悩んでいることの裏側を見よ。というお話がありました。大学生といわれる方々、人生の基本になる事をすべて勉強しておられると思います。お体は1つ。謙虚に。感謝し、世のため、人のために尽くす人生であって下さい。頑張って下さい。ありがとうございます。では最初の方からです。

最初の方は実習での悦びをお話しして下さいます。またラグビーを自己研鑽、全人格を懸ける。では

○今年の夏休みは合間に試験等挟みながらも1カ月半ほどの長さがありました。しかしながらここからは国家試験や研修医にむけていよいよといった時期に入っていきます。同級生の中には国家試験の勉強を始める者が出てき始め、普段の話題にも卒後の進路や将来の展望が度々取り上げられるようになってきました。長期休暇も今後は長くて一週間程度のものしかありません。なによりも今期からは臨床実習が始まりました。一般にぽりくりと呼ばれるこの実習では実際に外来に出て、本物の患者さんを前に先生方のアシストや、時には治療の一部を任されることもあります。自分が医療者であるという実感を強く感じ、著しくモチベーションが上がる一方で生身の人間が相手であるというプレッシャーや、知っているはずの知識が咄嗟に出てこない不勉強さも強く感じる日々です。これまでの実習は全て模型で行ってきましたが、模型であんなに簡単だったことが生身の人間を相手にするとこうも難しいものかと、己の無力さを痛感しております。ここ数年間毎月書かせていただいておりますが、部活についての報告です。合同チームから独立し、ついに来春の大会から鹿児島大学単独で出場します。その目標に向けて10月の頭にはまる2日間練習を行う強化練習を敢行しラサール高校との練習試合も行いました。春の大会という目標ができたこと、さらにはついに単独での出場となること、この2つが大きな追い風となり現在我がラグビー部は極めて雰囲気のよい練習ができていると自負しております。私個人としてもふと気がつけば11月で引退まで残り半年となりました。人一倍真面目にラグビーに取り組んできた私ですが、実は怪我や規則に阻まれ5年生の現在まで、たった1度しか公式戦に出場しておらず、現役部員の中には私と一緒に公式戦を戦ったことのある部員は1人もいません。次こそ、次こそは仲間とともに公式戦のグランドに立ち完全燃焼して引退を迎えたいと思っております。そのためにも限られた時間ではありますが、日々の練習や自主練を通して自己研鑽の励み過去最強の状態で来る日を迎えられるよう精進していきたいと思います。11月は大学では実習が続き、部活では練習試合や他チームとの合同練習が続きます。常に目標を持ち残り少ない学生生活を無駄にせぬように全力疾走で駆け抜けていきたいと思います。

とおっしゃっておられます。
実習が模型で行って来たのと生身の人間を相手の実習は雲泥の差のお話しと5年続けてきたラグビーのお話。そして人一倍真面目にラグビーに取り組んで来たお話でした。ありがとうございました。


次の方は顕微鏡を用いて細胞を自分の目で検体を正しく評価のお話と春の定期演奏会のお話。では

○後期授業が始まってから1カ月あまり経ち数少ない実習のうちの1つである顕微鏡を用いて細胞に状態を判断する実習が終了しました。予め授業で習っていたものと同じ像が見られるわけではなく、実際に自分の目で見た検体を正しく評価することは、やや困難に感じられました。しかしいくつかの例を実際に見て学んだため勉強もしやすく先日行われたテストでは良い手応えを得ることができました。また副主将を務めているアンサンブルサークルの活動の中でも最も大きな行事である春の定期演奏会に向けて仲間とともに準備を進めております。今年度は新型コロナウィルス感染症の影響で開催可否を直前まで決定できず不安定な中での準備となります。しかし開催の形態に関わらず対応できるような様々な事態を想定して対策をしております。大変ではありますがこの経験が社会人になってからも生きるよう尽力し、円滑に対応できるようにしっかりと準備する所存です。

とおっしゃっておられます。
準備万端を整えて事に当たる素晴らしいお考えの方と勉強になりました。ありがとうございました。


次の方プラス発想のお話。本を読んで感動。私もこの方のお話に感動しました。では、

○季節は本格的に冬となり、大変寒くなってきました。早朝は特に寒くて私は起きた後ベッドから離れられず、数分間「起き上がれ、起き上がれ」と自分に言い聞かせています。これからは朝がさらに寒くなるので寒さ対策をして気持ちを引き締めていきます。前回の報告では私のゼミ研究に関する内容をお伝えしました。そのため今回はそのゼミ研究の結果をお伝えできればと思っていたのですが、集計が間に合わず、まだ報告できないという状況です。私のゼミ研究の結果は集計が終わり次第報告したいと思います。最近私は新しく本を購入しそれを読み始めました。タイトルは「20代を無難に生きるな」といい、私はこれから20代になり、どのような心がまえをしていけば良いかを著者の経験に基づいて詳細に記された本です。私は今月20才の誕生日を迎えるのですが、これから大人社会に生き、農業経営者になるという目標を立てた上で何が必要なのか考えていました。そのような時に本屋さんで、この本を見つけて、その場で決断し購入しました。私は寝る前の数分間この本を読んでおり現在は半分まで読み終えています。その中で私は著者の「20代のうちにプラス観を身につける」という言葉が非常に印象に残っています。本によるとこの「プラス観」とは悩みごとがあった時に、そのマイナスの裏側にあるプラスを発見する力のことだそうです。私は物事を楽観的に深く考えない能天気とは異なり、このプラス観を身につけることで、どんな環境でもまわりに左右されず、ブレない自分を貫いて生きていけると思いました。また私はこの言葉に感銘を受け、今の日常生活に取り入れています。具体的には私は実家の農作業の手伝いとして1人暮らしをしているアパートで落花生の莢剥きをしているのですが、それが大量にあります。それを1人で剥くのはきついと思っていました。しかし私はそれをプラスにとらえ「この作業を通して莢剥きが上達できる!」「上達するためにはどのような方法で行えば良いだろうか」と考えるようになりました。すると1つ1つの作業が大変充実して楽しくなりました。プラス観は今の生活に非常に役立っています。これからも私はプラス観を生活に取り入れ習慣化させたいです。またこの本はあと半分読み終えていないので、これからたくさんのことを学んでいけたらと思っています。

とおっしゃっておられます。
プラス観を身につけること、つまり悩みごとあれば、その裏側プラスを身につける報告です。私は20才ではありませんが、人生の歓びのための本。読んで楽しみたいと思いました。ありがとうございました。


次の方、対面授業が始まり友達と談笑し一緒にご飯を食べる。当たり前の事。又後期の難しいがやりがいを感じているとの報告。では、

○新しい生活が始まり再び慌ただしい毎日を過ごしているこの頃。注意を払いながらも以前のような生活を取り戻しつつあります。大学も人数制限はあるものの対面での授業が再開されています。友達と授業を受け談笑し、ご飯を食べるというような当たり前だった日常に改めて楽しさを感じています。後期の授業では専門な学びが多く、予習、復習が重要になっています。特に私が力を入れているのは災害地形学や地盤環境工学、それから2つの実習科目です。災害地形学や地盤環境工学では物理的な視点から地形や土壌について詳しく学びを深められ難しさはあるものの、やりがいや学んでいる楽しさも感じています。将来自分自身がやりたいことは、具体的には決まっていませんが少しずつ興味のある分野は見えてきている気がします。また2つの実習科目では測量と農業についてそれぞれ実践的に学習しています。どちらもグループ単位での活動になるので、友達と上手くコミュニケーションを取り、協力することも経験でき、2,3回授業を終え、少し慣れた今は楽しく作業できています。実際に専門的な学びを特別な道具を使いながら体験することは今までしたことがなかった授業であるので、すごく新鮮で座学よりも楽しみが大きい授業になっています。このように大学の学習面では充実した日々を過ごしています。またこのような充実した環境にいられる事に感謝したいと思います。今までよりも課題の量や予習、復習の時間が増えていますが、自分なりに時間を見つけて勉学に励んでいると思っています。アルバイトもしながらなので、忙しい日々ですが頂いた奨学金を使って少しでも勉強にあてられる時間を増やすことができていると感じています。今後も学習の時間だけでなく、より内容を満足できる濃いものにしていけるように努めたいと考えています。

とおっしゃっておられます。
難しいことへの勉強はやりがいや、楽しさを感じる歓び。大学の学習面の充実した日々。このような環境に感謝なさっておられる姿。豊かな人生が待っています。と申し上げたいです。ありがとうございました。


次の方はテレビの報道特集での昔の伝染病なのか、戦時中なのかはわかりませんが、平和の有難さなどの対する報告です。では、

○風が冷たくなってきました。高校3年生の大学受験が本格的にスタートし、私達が2年生になるのかと全く実感が持てずにいます。新型コロナウィルスが流行し始める前、私は年末によく放送される「日本の今までの歩み」といった報道特集を見て「昔は大変だったのだなあ、今では何ともない物になっているけどな」と思いながらテレビを見ていました。そんな歴史に残るような病の真只中で生きていくのは初めてで今までの18年。どれだけ平和な生活を送れていたのか今この瞬間痛感しています。はやく終息して欲しいと願うばかりです。来月は自動車学校をようやく卒業できるそうです。卒業検定に受かれば「一歩前進出来ている」という確信も持てると思うので、精一杯頑張りたいです。自動車に乗る事を通して「人間はすごい」と改めて思いました。なぜなら事故を起こさないようにたくさんの共通標識。ルール。信号。規制のその全てを自ら考え、工夫し、整備したという事実が道路には溢れています。お読み頂きありがとうございました。

とおっしゃっておられました。
今のコロナウィルスは歴史に残る病でしょうと思います。運転免許手にする前に感心なお話でした。ありがとうございました。


次の方同じ研究室の方へのアドバイスの為その方が就職した喜び。もともと自分が昔そのように指導して頂いた事への恩返し。では、

○さて今月(先月末)のことですが、たいへん嬉しいことがありました。私が指導を担当させて頂いている同じ研究室の修士2年の学生の就職が無事大成功で、きまりました。9月の中旬までは本人は希望の職種での内定は頂けていないようで、それを励ましながらの毎日でした。ただ内定式の1週間前に突然バイオ業界の(誰でも名前は知っている)大手より追加の募集があり、私や研究室の助教など総出でその面接や書類の対策を行いました。その結果9月30日の午後5時に無事に内定を頂くことになりました。これには私に思うところがありました。以前勤務していた製薬会社では、私は常勤ではなく転職や進学をある時点からは考え行動していました。その時に当時の直属の上司や社長は「自分が会社の人事、また人を雇いたいなら、どのような人材を面接や書類から見出すか」と大変協力してくれました。書類の添削も行ってくれましたが、その時に上司に感謝を伝えると、きまって「自分がしてもらったことは次に君がだれかにしてあげなさい」と言いました。私もいつか誰かの役に立てばと思っていました。(おごる気はありませんが)今回の修士の学生に少しは役立つことができたのではと思います。また当時の私のお世話になった上司への今できる一つの恩返しになったかもしれません。おしつけがましくなることなく、これからも誰かに役立つ人間でありたいと思います。

とおっしゃっておられます。
昔習った言葉に「己にせられんと欲すること他にもその如くせよ」この方元上司から言われたことの実行でした。この上司様もご自身の事業に実行しておられるのでしょう。ありがとうございました。


次の方学生時代に資格をとっておくと将来必ずプラスになります。父親と一緒に宅建の試験を受けた方。では、

○コロナ禍で不要な外出を極力控えていたため、今年は紅葉を目にする機会が少なく、秋をなかなか感じられなかったなと寂しく思います。コロナウィルスは収まる気配もなく感染者が全国で2000人を超えるなど第3波に直撃しています。私の住む地域でも長らく0であった感染者が徐々に増加しており、日々不安が募っていきます。そんな中でも懸命にウィルスと戦っている医療従事者の方々には頭が上がらないなと感謝の気持ちでいっぱいです。さて近況報告をさせて頂きます。先月の18日に宅地建物取引士(以下宅建)の試験を受けてきました。私は将来特に不動産関係の仕事に就こうと考えているわけではありません。しかし将来の自分にとっての武器を大学生のうちにできるだけ増やしておこうと考えた結果の1つが宅建でした。私の通う大学には複数の学内塾があり、そこには様々な資格に向けた塾や公務員対策、司法試験対策の塾などがあります。私はその中の宅建塾に1年生の時から所属しています。宅建の勉強は簡単ではありませんが、私は法学部の学生なので民放の勉強にもなります。所属した時から友人と切磋琢磨しながら試験勉強に励んできました。今回はまだ試験範囲の全てを勉強し終わってはいなかったのですが、友人と相談し、今年受験してみて会場の雰囲気や試験の内容などを把握し、来年受験する際の参考にもなり、これからの勉強のモチベーションにしようということになり受験しました。私も友人も宅建を受けるのは今回が初めてでした。また今回から民放が改正されたことによって難易度が上がるのではないかとも言われていました。当日私は父と試験会場に向かいました。父は去年から宅建試験を受けており、今回は2回目でした。今まで高校受験や英検などを父に送迎したもらうことはあっても同じ試験を受けることは初めてだったので、なんだか不思議な気持ちでした。試験会場へかなり早く到着したので、集合時間まで車の中で父と、追い込みの勉強をしました。試験を受け終わったあと、さっそく自己採点をしました。もちろん結果は満足できるものではありませんでした。しかしチャンスはまだ来年あります。この悔しい気持ちをバネにして来年は合格できる、満足のいく結果を残せるように、1年必死で勉強しようと思います。

とおっしゃっておられます。
お父さんは2度目。合格間違いないと思います。私の弟が70才の時初めて宅建を受験し合格しました。凄いと思いました。勉強すれば合格する。お父さんの勉強も凄かったのだろうと思います。ありがとうございました。


次の方は栄養教諭の内定を頂いた。沢山の方の支え。自分の力は数パーセント。周りの方々のお力数十パーセント。との報告です。では、

○私はつい先日栄養教諭としての内定を頂きかねてからの夢であったものが現実になります。先月の手紙にも書いたように、この夢を叶えるにあたり、私は沢山の方と出会い、そして支えられました。自分の実力などほんの数パーセントにすぎず、残りの数十パーセントは周りの方々のおかげだと思っています。そして1番は母親に感謝しています。私の母は姉のような、友達のような母親らしくない母です。学校であったこと、時には恋愛のこと、何でも話せる関係です。私が栄養教諭という夢を叶えることができたのも母の存在が大きいと思います。母は私に「勉強しろ」と言ったことがなく、むしろ「あんまり勉強しなさんな」と言います。教育上良いことではないかもしれませんが、私にとってはこのような母の思考があったおかげで上手く息抜きしながら、ポジティブな気持ちでいることができたのかなと思っています。2月にある管理栄養士の国家試験に合格することが条件のため、残りの期間全力で勉強しようと思っています。周りの方々への感謝の気持ちを忘れず、残りの大学生活を楽しもうと思います。

とおっしゃっておられます。
母親のありがたさ、親孝行な方です。又皆様のお力添えで難関突破。感謝の心の持ち主。ありがとうございました。


次の方は大学でもジェンダー学の講義を受けており、映画と講義の内容を重ね合わせて考える日々と。では、

○ところで私は先日、コロナ禍になって初めて映画館へ足を運びました。久しぶりに映画芸術に触れたい気分になりました。観賞したのは「ミッドナイトスワン」という映画です。草g剛さん演じるトランスジェンダーの主人公と親の愛を知らない少女の疑似親子的な愛の姿を描いたストーリーでした。ジェンダーの問題、そして育児放棄の問題と、胸が苦しくなりつつも自分が生きているのと同じ世界のどこかで、全く知らない生き方をしている人がいるという、社会の実情をストレートに学べる映画でした。特にジェンダーに関してはちょうど大学でもジェンダーの講義を受けており、映画と講義の内容を重ね合わせつつ考えを深める日々です。近年ではトランスジェンダーも含むLGBTなどへの関心が社会でも高まっています。それでも性的マイノリティーの方々の生きづらさは解消されていないのが実情だと思います。そうではなく今や50以上もあるとされるジェンダーの全てが普通に当たり前に社会に認められる世の中を私は望んでいます。映画の中で主人公が子どもの頃、皆で海水浴に行ったとき「どうして自分は海パンを履かなくてはいけないのだろう」と恥ずかしくて大泣きしたというエピソードがありました。これは現実でもよく聞く話です。私は教職をとっているので、自分が先生になって、このような生徒がいたらどうしてあげるのが正しいのだろうかということも考えました。もちろん制服などの男女を区別する制度がなくなることが理想ですが、それ以前にいじめなどの問題につながらないよう、子どもたちの心の枠組を広げてあげるのは教育者ができることです。そうかと言ってわざわざLGBTの話題などを学級で扱うのも「普通」という価値観にもっていけるのか定かではありません。教師になるとしたら難しい課題が山積みです。映画を1本観ただけでも、いくつかの課題が見つけ出されました。学生のうちにもっと外へ足を運び経験のうちにまた課題を見つけ、一歩前進していきたいと思います。コロナ禍ですのでこれまで通りにというわけにはいかず、限られますがきっと身近にも新たな発見がたくさんあることでしょう。

とおっしゃっておられます。
読ませて頂き、写させて頂きながら世の中は180度ちがうことも考えなくては。と勉強になりました。ありがとうございました。


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