令和5年8月10日
壽崎育英財団奨学生の皆様へ
理事長   米澤 房朝
 

8月に入り猛暑が続いておりますが、奨学生の皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。
6月に今年度の奨学生交付式が無事終わり、また1年よろしくお願いいたします。コロナ禍の影響でしばらく交付式が開催できずにいましたが、今年から再開でき、皆様との交流ができとても有意義な時間となりました。奨学生の皆様からのご報告を頂いておりますので早速ですが、ご紹介させて頂きたいと思います。

では、最初の方

◯お世話になっております。先日の交付式のご開催、ありがとうございました。貴重なお話をお聞かせ頂き、身が引き締まる思いです。
私の学校生活の方は、4月から続いていた解剖実習が終了し、6月からPBL(Problem Based Learning)という形式の講義が新たに開始しました。これは受け身で話を聞いていくのではなく、与えられた題材を元に生徒自らが問題を見つけ、その解決方法を模索していく、というものです。私達は将来医療に携わっていく中で、既存の技術を正しく習得することはもちろん必要になりますが、医療が抱える問題点を認識し、より良いものへと改善していかなければなりません。私はこの講義を通じて問題を解決するためのプロセスを身につけ、将来研究を行うようになった際に役立つようにしたいと思っています。苦労していることとしては、論文を読んでいく際に全て英語で書かれているので読解に時間がかかってしまうことです。研究論文では使われている単語も難解なものが多いので、英語の勉強も少しずつ重ねていきたいと考えています。

医療に携わるお仕事、幅広い知識が必要なのですね。その際英語の勉強、専門的な知識・・・数えあげればきりがないのでしょうが、常に課題や勉強が必要とのこと。ご苦労様でございます。何の仕事のそうですが、常に新しい知識が必要になってくるので、生涯学び続けなければならないのですね。立派な医療人になれると期待していますので、次回の報告を楽しみにしております。ありがとうございました。


では、次の方のご報告

◯昨年に引き続き、今年度も私を公益財団法人壽崎育英財団の奨学生として採用していただき、誠にありがとうございます。
昨年度もこうして毎月お手紙にて近況報告をさせて頂いていたため、書かなくなってから少しもの寂しいような感覚がありましたが、また書くことができて嬉しく思っています。毎月手紙で良い報告ができるように一日一日を大事に充実した日々を送っていきたいです。
4月から大学生という新しい環境が始まりました。短大では30人ほどの少人数から、元々大学にいる50人に編入生7人が加わり約60人という大人数の中で学んでいます。短大で一通り勉強していましたが、臨床系はより中身が濃くて、病態や食事形態のことを中心に学修しています。また、実験や実習を通して大学の友達ができました。人見知りなので自分から声をかけることに抵抗がありましたが、声をかけてもらったり、自分から一歩踏み出して声をかけたりして少しずつですがクラスに馴染めてきました。実験や実習のメンバーに恵まれたおかげで、最初はすごく緊張したけれど、今では冗談を言い合える間柄になりました。優しい人たちばかりで色んなことを教えてくれます。 実家から市外の学校に通うことはすごく大変だということも実感しています。往復2時間かけての通学はとても大変で、4ヶ月たった今でもなかなか慣れません。バスの便も1時間に一本ほどしかないので、逃してしまうと生き帰りに一苦労します。また、睡眠時間の確保や課題レポートに追われる日々で疲労が溜まっていますが、友だちと励まし合いながら休日はしっかりと休息をとったり、趣味の時間にあてたりしながらなんとか学生生活を送っています。オンとオフの切り替えを大事にして勉学と趣味を楽しんでいきたいです。ますます深まっていく酷暑にお身体を崩されませぬようどうかご自愛専一にお過ごしください。

とのご報告いただいております。毎月のお手紙を書くことを嬉しく思ってくださり、こちらも嬉しい限りです。ありがとうございます。短大から大学へと編入をされ、環境にようやく慣れてきたとのことです。周りの人達にも恵まれているとおっしゃっておられますが、ご本人様が素晴らしいので自然と良い人が引き寄せられるのではないでしょうか。通学で2時間をかかるとのことですが無理はせず有意義な大学生活を送ってください。また来月のご報告楽しみにお待ちしております。ありがとうございました。


次の方ご自分の課題を見つけられたようです。では、

◯大暑の候、理事長様はじめ壽崎育英財団の皆様におかれましては、益々ご健勝にてご活躍のこととお喜び申し上げます。この度は、奨学生に採用して頂き、誠にありがとうございます。奨学生の名に恥じぬよう、これからの学生生活を過ごしていきたいと思います。
私は、小学生の頃からの夢である保育教諭として地元で働くことを叶えるために、保育士資格と幼稚園教諭免許を取得することができる大学に進学しました。また、高校生の時に大学の先生のリトミック授業を受け、その時に「この先生のように音楽でこどもたちの発育、発達の支援をできる保育教諭になりたいと思いました。
私はこれから勉学に務めることはもちろん、ピアノや歌などの音楽分野の勉強や練習も頑張りたいと思います。
入学してから三カ月程経ち、学生生活にも慣れてきました。その中で三つの課題が見つかりました。一つ目はピアノの技術が足りないことです。保育教諭にとって欠かせないピアノですが、現在の私は手元を見て弾くことで精一杯です。しかし実際に現場で働いている保育教諭の方々は、こどもたちの様子を見ながらピアノを弾きながら一緒に歌っています。初めての実習が十一月にあるため、その時までにこどもたちの様子を見ながら弾けるようにしておきたいです。
二つ目は、語彙力を身に付けることです。保育教諭はこどもと活動する中で、常にこどもたちが分かりやすいように会話をしたり、説明をしたりしないといけません。実際に保育教諭がこどもたちに活動内容や遊び方などを説明しているところを見ると、こどもたちがすぐに理解できる簡単な言葉を使い、簡潔に説明していました。私にはまだその力が足りないと気づくことができたため、こどもたちが分かりやすい説明ができるように、どのような言い方をすれば良いか、年齢によってどんな言葉なら伝わるかなどを学んでいこうと思います。
三つ目は、覚えないといけないことが多く、毎日その日に学んだことを復習しないとついていけないということです。高校生の頃は試験前にまとめて復習していましたが、それでは追い付かないくらい学ぶことが多いと気づきました。最初は大変だと思うだけでしたが、学んでいくうちに、保育教諭は多くのこどもの命を守る重要な職業であると分かりました。最近ニュースなどで保育現場での事故を多く聞きますが、それらの事故を防ぐために、復習をしっかりして学んだことを全部吸収できるようにしないといけないと感じました。こどもの命を守るために、毎日の復習を頑張りたいと思います。
話は変わりますが、今月の初めに「子ども研修」という、本学に保育園のこどもたちを呼んで少しの保育体験をするものが行われる予定でした。しかし、大雨の影響で中止になってしまい、とても残念でした。それでも「子ども研修」のための準備では、こどもたちが来ることを楽しみにクラスのみんなと協力して行うことができ、とてもいい経験になりました。来年は実施できることを願います。
七月の終わりからは初めての定期試験が始まります。初めてのことばかりでとても不安ですが、早くから勉強を始め、全ての教科でいい成績が修められるよう頑張りたいと思います。特に保育に関する教科には力を入れて勉強したいです。高校までの試験と違い、レポートを書く教科もあり、私は文章を書くことが苦手なため、本や新聞を読み込み、文章を書く力を高めたいと思います。
学生生活はまだ始まったばかりですが、これから多くの課題や困難があると思います。それらを乗り切り、立派な保育教諭になれるようにこれから精一杯頑張ります。卒業までどうぞよろしくお願いいたします。最後になりましたが、時節柄ご自愛ください。

入学して3ヶ月で自分の課題をきちんと見つけられ、その為に何が必要なのかを考えておられ関心いたしました。今の調子で勉学に励んでいただければ、素晴らしい保育教諭になられることでしょう。楽しみですね。ありがとうございました。


次は留学生の方が日本語での報告のお手紙を頂きました。では、

◯拝啓
猛暑到来となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。本年度最初の報告をさせていただきます。
外国人として、日本語で手紙を書くことは大変貴重な体験(機会)だと思っております。普段、中国語で手紙を書いて友達と連絡する習慣がありますが、日本語で手紙を書くことは初めてです。頭語、結語や時候の挨拶は難しいと思いますが、日本ならではの季節に関する趣、また相手に対する思いやりに私の心が惹かれました。壽崎育英財団の皆様との交流を機に、日本文化の魅力を深く感じることに非常にうれしく思っております。但し日本語はまだまだ勉強不足なので、文法や言葉遣いの誤りが多くあるかと思います。その場合はご容赦ください。もし差支えなければ、ご指摘いただければ幸いです。
私は昨年10月大分大学に入学したので、今年の夏は私にとって最も南国っぽい夏だと思います。毎日頑張って蒸し暑い天気と戦って研究、語学勉強を続けております。九州の猛暑のなかで、私は日々なじみ深い中国の料理や家族がいるふるさとを恋しく思っております。それほど激しい里心は留学生こそ感じられるだろうと悩んでおりますが、「それも留学体験の一つじゃないか」と思いながら毎日の生活を楽しんでおります。
7月講義の課題を解決したり、先行文献を熟読したりしました。そのほか、英語をしっかりと練習し23日のTOEIC試験を受験する予定です。そして、大学の図書館に「わたしたちだけのときは」という絵本を借りて読みました。それはカナダ政府が先住民族にとった、同化政策を描いた絵本です。私は人文、社会科学に興味を持っております。だから、この日本人の子供向きの絵本は絶賛な日本語「テキスト」ということはもちろん、歴史勉強の資料または素材になると思っております。日本の事情だけではなく、世界中の出来事を幅広く知りたいと思います。 最後に、これからの1年間奨学金のご支援を改めてお礼申し上げます。皆様のご支援をいただければこそ、私は未知の世界を探究し、繊細な言葉で漢字を書く勇気を出すことができました。これから精一杯頑張ろうと思います。心から感謝しております。
今後ともよろしくお願いいたします。またお目にかかれますことを心待ちにいたしております。
敬具

とのお手紙、そのままの状態で入力させていただいております(加筆はしておりません。漢字もそのままです)。誰もが日本人が書いたと思うような、素晴らしいお手紙です。頭語、結語、時候の挨拶、表現、訂正する部分はございません。天晴、お見事、感動しました。
きちんと報告に内容も書かれており、良く理解できました。益々のご活躍お祈り申し上げます。ありがとうございました。
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