令和6年1月20日
壽崎育英財団奨学生の皆様へ
理事長  米澤 房朝
 

厳しい寒さが続きますが皆様にはご壮健にてお過ごしのこととお喜び申し上げます。
令和6年の元日、石川県を中心とした地震、津波によりお亡くなりになられた方へ哀悼の意を表します。まだ不明者もいるとのこと本当に心が痛みます。1日でも復興が進み、心が少しでも安らかに過ごせるようになることをお祈りいたします。

また今年も奨学生の皆様から毎月の報告を頂いておりますので、定期的にホームページに記載させていただきます。12月の近況報告からです、では

では、最初の方

◯拝啓
年の瀬もせまり、皆様はいかがお過ごしでしょうか。12月の近況報告です。最近、就職ガイドブックを探すことをきっかけに、大分市の市民図書館を利用し始めました。自己分析や業界分析などの本以外にたくさんの新聞、雑誌も読みました。その中で一番好きなのは「ナショナルジオグラフィック」と「日経ウーマン」です。現在、中国国内の言論統制が厳しくなったため、客観的、中立的な報道はほとんど見られません。だからこそ、「ナショナルジオグラフィック」のような、洗練された文章と美しい写真で世界上の出来事を見せるメディアは重要になるだろうと思います。特に、一般の人の日常生活から社会課題を発見し、取材することはとても素晴らしいと思います。そして、「日経ウーマン」から「節約術」「時間管理」の方法もいろいろ勉強しました。私も実践して、お金と時間の管理を着実に改善していこうと思います。
外国人の私は時々日本で疎外感を感じます。どうしても日本社会にとけ込むことができない感じです。図書館の中で、本だけではなく、イベントのチラシも入手できます。これからも図書館をちゃんと利用して自己が生きている国を理解していこうと思います。 今年は大変お世話になり、誠にありがとうございました。来年も皆様がご健勝でご多幸でありますよう、心からお祈り申し上げます。 
敬具

図書館を利用することにより、本からいろいろなことを勉強しているとのご報告です。文章もさることながら、文字も漢字、カタカナを使い分けられており、素晴らしいです。脱帽です。違う国の文化や生活を理解するのも大変なことと思います。お互いに歩みより共存していけると良いですね。ありがとうございました。



◯拝啓
本年も余日少なくなってまいりました。寒さも日毎に増します今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。先日熊本市内では、初雪が観測され、いよいよ冬が本格的に到来しているように感じます。
さて今月は小・中・高生と共に動物園へ行って参りました。入園直後「動物園なんてつまらない」と浮かない表情の小学校6年生の男の子がいて、少し心配していました。しかし、チンパンジーの親子を見た時に愛らしい子どもに行動とまるで人間のような親の行動に魅了され、十分ほどその場を離れたくないといった様子で夢中になっていました。そして退園する時には「まだ見たかった」「もう1回チンパンジーを見に行こう」と名残り惜しそうにしていましたが。表情はとても明るいものでした。その様子を見て私まで嬉しくなりましたし、ただ純粋に楽しむ姿に心動かされました。二日目は市街地で募金活動を行いました。韓国併合の際に結婚して韓国に取り残されてしまった、身寄りのない日本人女性とその子どもたちを保護しているナザレ園への募金です。子どもたちには事前に紙芝居で説明を行いました。それぞれの感想を持ったようで、活動中に通りすがりの方から説明を求められた際にも自分の言葉で説明をしていた子どももいました。勿論低学年の子どもはしっかり理解しているわけではないものの、大きな声を出し、「おばあちゃんたちのために頑張りたい」と一生懸命な姿が見られました。そんな中突然、小学生の肩をつかみ、ギュッとにらみながら厳しい口調で何度も説明を求められた女性の方がいらっしゃいました。私はその場にいませんでしたが、つかまれた男の子はとても怖がっていて、大学生が必死に間に入るも全く耳を持たれなかったそうです。責任者がその場にかけつけて場を収めましたが、子どもを一方的に責め立て知りもしないのにも関わらず自分の意見のみを押しつけるのは、あまりに自分勝手ではないかと思いました。もし私がその場にいたら、子どもを守ることができたのか、正直自信がありません。これを機にリーダーとしての責任を改めて考えたいと思います。最後になりましたが、2023年は大変お世話になりました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。寒い日が続きますが、お体にお気をつけてください。
敬具


ボランティアのご報告でしょうか。小・中・高生と共に動物園に行き、募金活動をされたとのことです。ボランティアをとおしていろいろな出来事に遭遇したとのこと。そのことによりリーダーとしての責任を再度考えられた。いろんな体験を通して自分を顧みることにも繋がり良い事だと思います。これからも大学での経験だけでなく、社会と関わるなかでの経験もご自身の成長になられると思います。ありがとうございました。



◯拝啓
師走の候、理事長様はじめ壽崎育英財団の皆様におかれましてはますますご清祥のこととお喜び申し上げます。今月も奨学金のご支援を頂きありがとうございます。
今回は、講義や日常生活について報告いたします。後期も後半に入り、科目によっては1月中旬に実施される定期試験の内容等について発表もあり、学生生活も終わりが近くなってきたことを感じます。先月の手紙で記したように、今回は苦手な分野の科目が筆記試験の対象となりました。試験対策により、一層集中するためレポート課題は後回しにせず、計画的に進めていきたいと考えています。試験対策は、日ごろから作成している単語帳を活用しての暗記や講義の中で使用した例題を繰り返し解き直し、理解を深めて身につけて備えたいと思っています。
次に日常生活について報告いたします。先月の手紙でもご報告しましたように、来年1月から司書関連の採用試験が始まります。そこで、採用試験に備えて専念するために、アルバイトを12月で辞めることにしました。アルバイトでは多くのことを学びました。お客様に接する上での言葉づかいや、クレーム時の対応の仕方、また声を明るくすることでマスクを着けていても笑顔が伝わる表情のつくり方など。接客をする上で大切なことを学ぶことができました。コミュニケーションの取り方が以前に比べ、向上したと実感しているのも、接客を経験したからだと思います。このコミュニケーション力は、就職活動や就職後も重要であると考えるため、今後も活かしていきたいです。また、先月末母方の曾祖母が94歳で亡くなりました。脳梗塞で倒れ入院したと連絡を受けてから、頻繁にお見舞いに行っていました。脳梗塞の後遺症で、うまくしゃべることができなかったり、体が思うように動かせなかったり等症状はありましたが、少しずつ回復しているように見えていたため、突然の訃報に現在でも実感がないほどです。倒れる前は、杖も使わず急な階段も登り降りできるくらい健康に見えていたため、今でも曾祖母の家に行くと元気な姿に会えそうな気がします。私の成長を見守り、短大生となった姿をとても喜んでおり、何かあるとお祝いといって、美味しい食事を作ってくれました。とても優しい曾祖母からはいつも元気をもらっていました。その恩に報いるように、これからも何事に対しても真剣に取り組み努力していきたいと思います。最後になりますが、寒さ厳しくなってまいりましたので、どうぞご自愛ください。
敬具

これから試験が始まるとのことでしっかり対策を考えられ取り組んでいくとのこと。
日常生活では採用試験に集中、専念するためにアルバイトを12月でお辞めになられたそう。アルバイトでの貴重な体験をすることによりご自身の成長を感じられているよう。いろいろな勉強をされたのですね。これからそのコニュミケーション力を発揮して社会人として立派に活躍されることでしょう。また、悲しいことに曾祖母が亡くなられ今でも実感が湧かないと。曾祖母もあなたの成長を楽しみにされていたと思います。これからも前向きに頑張って下さい。きっと近くで見守って下さることでしょう。ありがとうございました。



◯理事長様へ
月日が経つのは早いもので、今年も残りわずかとなりました。学年が上がるにつれて一年の短さをますます感じるものですが、これは充実している証なのでしょうか。このスピード感で六年生となり国試を受けることになると考えると非常に恐ろしさを感じてしまいます。
さて、今回はテストが二つ実施されました。一つ目の病理学は90点と非常に満足のいく結果となりました。また、二つ目の災害医療・法歯学は96点とこれも非常に良い結果をおさめることができました。どちらも日々の授業を大切にすることを重要視していただけなのですが、このように高得点を取ることができることを鑑みると、3年間の勉学への取り組みによって、自身の学習効率が高まったのではないかと考えます。来年の一月末には六年生の先輩方が国試を受験されますが、わたしもこの調子で学習効率を高めつつ国試を意識した勉強に励んでいきたいと思います。
順調な大学生活の一方で、私の祖父が亡くなってしまいました。祖父は幼い頃からわたしを格別に可愛がってくれ、そんな祖父が亡くなったことに驚き、悲しみました。祖父にはわたしが立派な歯科医師となって働く姿を見てもらいたかったです。祖父は建具師でした。一ミリの寸法の狂いもなく建具を製作する祖父を夏休みに一日中見ていたのを鮮明に覚えています。建具師と歯科医師は一見すると全く別の職種のように見えますが、わたしはそうは考えていません。建具師も歯科医師も「職人」です。一ミリ、一ミクロンの世界で、自分の誇りにかけてより良いものをつくりあげていく職業だと考えています。そんな祖父にわたしの仕事ぶりを見せることこそが、恩返しの一つだと考えていたため、それが叶えることが出来なくなった事実が悲しみを助長してしまうようです。しかし、それでも空の向こう側からわたしを応援してくれていることを信じて、わたしのできるひとつひとつのことを祖父のように丁寧にこなしていきたいです。
最後になりましたが、壽崎様をはじめ、米澤様、壽崎育英財団の皆様へ重ねて心よりお礼申し上げます。これからも勉学により一層励んでいきます。

テストの点数からご自身の学習効率が上がっていることを実感されたとのご報告。また、可愛がってくれたご祖父様を亡くされ、自分の成長した姿を見せることができなくなったこと、残念ですね。きっと応援していてくれていると思います。立派な歯科医師になられることを・・・。ありがとうございました。


◯拝啓
師走の入り、寒さもますます強まってまいりました。お変りありませんか。
私は11月30日から一週間アメリカてんかん学会に参加、発表するため、フロリダに行きました。アメリカてんかん学会(AES)は六千人規模のてんかんでは最大の学会で、日本からも70人近くのてんかん研究者達が参加していました。今回の学会参加の目的は、発表はもちろんですが、次の留学先を探すことでした。学会では名刺を配り、国内外でご活躍の先生方とお話して、素晴らしいリサーチフェローとしてのオファーをいただきました。しかし、このままアメリカでの研究生活に飛び込むと、日本で医師をする未来を捨てることになり、非常に悩ましいです。本当は全てを捨ててアメリカで研究者として活躍する未来を選びたいけれど、人生に保険をかけたい気持ちもあり、決められず一旦保留にしました。学生だったら無限に冒険できたことが、自分でお金を稼いでいかないといけなくなり、さらに家族を持てば、もっと身動きがとれなくなり、アメリカで研究して難病を治る病気にしたいという私の夢の入口にも立てないまま終わってしまうのではないかと怖くなります。何事にも臆せず挑戦できる私の長所が生かせない人生になってしまうのは嫌です。そんなことを考えながら二月上旬の医師国家試験の勉強に集中できずにいます。日本に帰国して、時差ボケしている間に周囲はどんどん勉強を進めているようです。私もそろそろ冷静になって勉強頑張ります。最後になりましたが、今月も奨学金をいただきありがとうございました。寒くなってきましたので、ご自愛ください。
敬具

アメリカ学会での発表おつかれさまでした。そこでのオファーから将来を考えられ、まだ答えがでていないよう。今から医師生活が始まるので、ご自身のお心のままに進んで後悔のない人生になられることをお祈り申し上げます。ありがとうございました。


◯拝啓
寒冷の候、寒さも日毎に増します今日この頃、年も押し迫り、何かと忙しい頃となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
12月の近況報告といたしましては、9月から11月の2ヶ月にわたって講義を受けた医科理学と統合生理学の実習がおこなわれました。統合生理学では、主に神経に関する生理学を勉強し、医科生理学はそれ以外の循環器や消化器などにおける生理学の勉強をします。
まず、医科生理学実習では心機能、肺機能、体液調整機構と腎の3分野に実習を行いました。心機能実習では運動を行ったり、寝ている状態から起き上がったり、手を氷水に浸したときに心拍数や血圧がどのように変化するのかを測定します。肺機能実習ではエアロバイクなどでの有酸素運動を行った時や、呼吸抑制を行った時に心拍数とSpO2がどのように変化するのかを測定します。体液調整機構と腎の実習では飲水をしないグループ、多量に飲水して安静にするグループ、多量に飲水して運動するグループ、少量を飲水するグループ、2.5%食塩水を飲むグループに分かれてそれぞれの尿量、尿比重、血圧、脈拍がどのように変化するのかを測定します。行った実習全てが大変興味深く、とても勉強になりましたが、その中で最も印象に残っている実験は体液調整機構と腎の実習です。私は食塩水を飲むグループになりました。2.5%食塩水は一見大したことない濃度に思えたのですが、飲んでみるとすごく塩辛くてとても大変でした。しかし、飲む前と飲んだ後で尿量や尿比重に変化がみられ、大変勉強になりました。教科書に記載されている生理学の現象を自らの体を使って再現することで、より理解を深めることが出来ました。
統合生理学実習では自分の体とカエルを用いて神経伝達がどのように行われているのかを学習しました。特に神経系の勉強なので、どれも難しいものばかりでしたが、その中でも最も大変だったのはカエルを使った実習でした。生きていたカエルを締めて、脊髄から足を走る坐骨神経を取り出して、神経伝達を勉強するという内容でしたが、その解剖する作業がとても大変でした。しかし、神経生理的な理解を深める事だけでなく、私たちが勉強するために犠牲になった一つの命に対する感謝の気持ちを改めて持つことができ、とてもいい経験となりました。
1月から、3年生に進級するための後期試験が行われます。これまで勉強してきたことをしっかりと自分のものにして、次のステップに踏み出すことができるように精一杯勉強に取り組んでいきたいと考えています。今年の在籍報告はこれで最後になりますが、来年からも変わらぬご支援の程よろしくお願い致します。
敬具

2ヶ月にわたり講義を受けた内容を詳しく教えて下さっています。実際にご自身で実験台になることによって理解が深まったとのことです。そして実験にあたりカエルで行い貴重な命を使い、そのことで感謝の気持ちを改めて持てて良かったとも。学年が進むにつれてより深く学習されることでしょう。しっかり3年生へのステップを踏み出せますようお祈りいたします。ありがとうございました。


◯拝啓
厳しい寒さを感じる時期となりました。いかがお過ごしでしょうか。今月も奨学金の支援感謝申し上げます。さて12月の報告をさせていただきます。
今月は「地域で働く 保健師の魅力」というイベントに参加しました。全国で開催されるこのイベントは、全国、各都道府県の保健師のお話を通して、保健師の魅力を知るというものでした。将来保健師として働くことを視野にいれている私にとって、大変貴重な機会となりました。
全国の保健師の方のお話では。神奈川県、京都府、鹿児島県の方のお話がありました。私の出身地でもある鹿児島県の方もいらっしゃり、驚いたのを覚えています。鹿児島県は離島が多く、私が住んでいた市にも離島がありました。高校が無く若者がいない、病院が無いなどと、保健師の力が求められることは、大学の講義も合わせて知いました。離島の保健師はすべての保健師の中でも一番住民と接する機会が多いのではないかと考えています。だからこそ、多くの方と接して視野を広げたい私、離島医療を学んでみたいと思っています。このお話を通して、より強く感じました。
私は宮崎県に住んでいるので、宮崎県の保健師の方と直接お話しました。県の保健師の方は県庁内だけでなく、各市町村の保険センターにも異動があるとおっしゃっていました。引っ越しがあるのは大変だろうと思っていましたが、それよりもさまざまな場所で経験が積めるとお話される姿勢に感動しました。私も1箇所の留まるよりさまざまな場所では働きたい性格なので、県の保健師という働き方は非常に魅力的に映りました。また、保健師どうしの関りだけでなく、県庁一般職の方や、保健センター内の医療関係者、化学職の方とも関りがあるのが特徴というお話もありました。さまざまな方と関われる機会を通して成長していくのではと感じました。
このイベントで、普段話す機会がない方とお話しすることができました。今後もイベントやボランティアなどに積極的に参加していこいうと思っているところです。
本年も余日少なくなってまいりました。年末に向けて多忙な日々をお過ごしのことと存じますが、体調を崩されませぬようご留意ください。
敬具

イベントに参加することにより、現職の保健師の方のお話を聞く機会がありたくさんの働き方が分かられて将来の選択が広まったようです。こういう機会に触れることにより色んな情報が得られることでしょう。ありがとうございました。
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